| ※1 |
エピジェネティック |
| DNAの塩基配列の変化を伴わず、遺伝子の発現を活性化したり不活性化したりする後付けの修飾のこと。主たる現象として、DNAのメチル化修飾、ヒストンのアセチル化やメチル化、リン酸化が知られる。正常な発生や分化に関わる重要な機構であり、特に個体発生に際してダイナミックな変化をし、次世代の細胞へと伝えられていく。その破綻により、さまざまな発生・分化異常やそれに伴う疾病が生じ、最近では、がん治療や再生医療においてますます重要なテーマになりつつある。 |
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| ※2 |
DNAメチル化 |
| エピジェネティクス機構の代表的な例。哺乳類DNAのシトシンがメチル化修飾を受けることで、遺伝子の実体である塩基配列を変えることなく、つまりコードするアミノ酸配列を変えることなく、その発現を制御する。 |
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| ※3 |
茶トラ |
| 三毛猫の基本色の一つで、茶(オレンジ)の濃淡の縞のことで、X染色体上に存在する。ちなみに、同じく三毛猫の基本色の一つである白色の斑は、優性遺伝子である。 |
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| ※4 |
Dnmt1 |
| ゲノムにおけるDNAメチル化パターンの維持に必須なDNAメチル基転移酵素。DNA複製に伴って生じる片側DNA鎖だけがメチル化された部分において、メチル化されていない方のDNA鎖に新たなメチル基を導入する。 |
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| ※5 |
Np95 |
| メチル化した遺伝子プロモーター領域に結合する哺乳類のタンパク質。DNAの修復や細胞周期の進行に重要といわれている。 |
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| ※6 |
遺伝子刷り込み(genomic imprinting) |
| 哺乳類は、父親と母親のそれぞれから同じ染色体を受け継ぐため、一つの細胞に同じ遺伝子を二つ持つことになる。通常、その二つの遺伝子の両方が働く。しかし、遺伝子の中には、しるしがつけられることで、必ず父母どちらか一方に由来する遺伝子だけが働く場合がある。これを「遺伝子刷り込み(genomic imprinting)」と呼び、これらの遺伝子は、胎児の成長や発生に関わる重要な働きをすることが知られている。 |
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| ※7 |
プラダー・ウィリー(Prader-Willi) 症候群と アンジェルマン(Angelman) 症候群 |
| 15番染色体における微細欠損が、父親由来の染色体にある場合、臨床的にはプラダー・ウィリー症候群となり、母親由来の場合にはアンジェルマン症候群となる。プラダー・ウィリー症候群の患者は、強迫的な過食、肥満、比較的軽度な精神発達遅滞で特徴付けられるのに対し、アンジェルマン症候群の患者では、より強い精神発達遅滞、運動失調、強迫的な哄笑がみられる。これらの疾患を引き起こす染色体領域には、この二つの疾患の遺伝子座が隣接して存在し、精子形成あるいは卵形成の過程で、それぞれ別の遺伝子座がメチル化によって不活性化される。精子形成過程では、アンジェルマン症候群遺伝子であるユビキチンリガーゼ(UBE3A)だけが不活性化され、卵形成過程では、プラダー・ウィリー症候群遺伝子だけが不活性化される。 |