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理研―慶大連携研究チーム
岡野 栄之
チームリーダー
岡野 栄之
(M.D., Ph.D.)
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プロフィール

ヒトの脳は、進化過程で保存された構造と、大脳皮質の拡大に伴って霊長類以上で特異的に獲得された構造の両方を有しています。従って、ヒトの脳の正常な機能や、心の問題、あるいはこれらが破綻した疾病を正しく理解するためには、両者の構造と、それに基盤を置く脳機能を解明する必要があります。進化過程で保存された構造には皮質(外套)、基底核、視床、脳幹などが含まれ、報酬・情動、記憶等の機能を司りますが、一方霊長類以上で特異的に獲得された大きな大脳皮質は、道具使用、言語、自己意識といった機能を司ることが知られています。この点を考え見て、私達は、進化段階の異なる複数の実験動物系による比較解析を行うことにより、ヒトの心を生み出す神経回路の作動原理とその分子機構の解明に挑戦したいと考えています。 私達の共同研究グループは、霊長類のうちでもっとも小型で、かつ繁殖力の高いマーモセットを使用して、脊髄損傷などを再生する治療法の開発やMRIによる系統的画像解析や脳アトラスの作成、ES細胞・iPS細胞の作成を行い、さらには理化学研究所のグループとの共同でゲノム解析に成果を挙げてきました。マーモセットは、1 .特徴的な親子関係を示す、2.音声コミュニケーションを示す、3.マカクでの高次脳機能の行動学的な解析方法を適用できる、4.多くのヒト神経疾患モデルが得られており、その解析法の開発が進められている点から、脳科学研究において注目される注目を集めています。また、2009年には遺伝子改変霊長類(コモンマーモセット)の作出に成功しました。ここで得られました個体では、遺伝子の導入された第一世代だけではなく、第二世代でも導入遺伝子の発現が認められており、次世代まで導入遺伝子が受け継がれた霊長類の作出は世界で初めてであります。現在、この遺伝子改変技術を用いてヒトのパーキンソン病などの神経難病のモデルマーモセットの作出を進めており、これら神経難病の治療法開発研究などへの貢献が期待されます。 また、本最先端研究開発支援プログラムでは、さらに遺伝子改変マーモセット作成の技術開発を進めるとともに、ヒトあるいは霊長類に固有な脳の構造と機能の解析、さらにはこれらが障害されたヒト精神・神経疾患モデルの開発を行いたいと考えます。これらを通じて、ヒトの知的機能の生物学的基盤の解明および精神疾患病態解明に革新的な貢献をすることを目指しております。

関連リンク

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プレスリリース・研究成果

2012年04月11日
脳内遺伝子の発現様式解明に小型のサル「コモンマーモセット」が活躍
−霊長類が高次機能を獲得したメカニズムの解明へ−

メンバー

主宰者

岡野 栄之
チームリーダー

メンバー

滝上 紘之
大学院生リサーチ・アソシエイト
岸 憲幸
客員研究員
岡野 ジェイムス 洋尚
客員研究員
奥野 弥佐子
客員技師