|
Zic2低発現変異マウスで観察された側脳室の拡大。同腹の野生型(正常)マウス(+/+)に較べて、Zic2低発現変異マウス(kd/+)では側脳室(緑色の部分)が拡大しており、中隔とよばれる側脳室の間の領域(*)が狭くなっています。左は脳を背側から、右は脳を斜め前方からみたところです。ZIC2は、亜鉛フィンガー型の転写調節因子で、全前脳症という先天奇形の発症因子であることが知られています。Zic2低発現変異マウスは40%程度の発現低下があり、新規環境での移動活性の亢進、 感覚から運動への情報処理の障害、社会性行動の異常が観察されています。これらの症状は統合失調症モデル動物の症状に類似していたので、統合失調症患者でのZIC2遺伝子座の変異を探索してみました。その結果、ヒトZIC2に新たなミスセンス変異(R409P変異)が見つかり、この変異によりZic2タンパク質の転写活性化能が下がり、標的DNAへの結合や他のタンパク質との結合に異常が生じました。 これらの結果は、ZIC2が統合失調症の発症の一部に関与するのではないかという可能性を示しており、今後のより包括的な遺伝学的解析が期待されます。
|