
チームリーダー
Adrian W. MOORE (Ph.D.)
私たちは個々の神経が発生段階においてどのように分化し、その後、多様な形態や機能を作り出すのかを研究しています。神経系の機能は組織化された複雑な回路構築に依存しており、それらの回路はクラス特有な形態や生理的特長を持つ多種多様なニューロンクラスから次々と構築されることが知られています。しかしながら、ニューロンクラスの分化プログラムのメカニズムについてはほとんどわかっていません。
神経が分化する経路においてわずかな異常が生じた場合、その後の回路の正常な組織化を妨げ、精神遅延症候群、自閉症、総合失調症などの神経障害を引き起こします。そして、それらの障害が発症した患者は想像を絶する苦しみに苛まされます。昨今これらの問題といかに社会が関わっていくのかが問題とされています。我々は多種多様なニューロンクラスの分化プログラムを以下に挙げた2点を理解することで、上記のような難治性疾患を治療する方法の足掛かりを探しています。
1.
さまざまなシグナル伝達系が異なるニューロンクラス作り出すために使用されています。これらシグナル伝達系は多種多様な作用をもち、それにより異なる神経分化が成し遂げられます。特定のシグナル伝達系による刺激レベルを異なる時間経過で変化させると神経形成にどのような違いが生じるのでしょうか?つまり、クラス特異的な分化プログラムを成立させるためには如何にシグナル伝達系が制御されなければいけないのでしょうか?2.
クラス特異的な分化プログラムにより、そのクラス特有で異なる樹状突起の分岐形態が作り出され、軸索投射が行なわれ、同時に特有なイオンチャネルと伝達物資が作り出されています。最終的に、これらのイベントが組み合わさって、ニューロンクラスの特異的な機能が作り出されます。では、神経の分化の過程とクラス特異的な形態や生理機能にはいったいどのような関係があるのでしょうか?
- ニューロンのクラス特有な樹状突起分岐機構の解明
- 神経幹細胞を維持するがん原遺伝子PRDMファミリーの役割
- Endo K, Karim MR, Taniguchi H, Krejci A, Kinameri E, Siebert M, Ito K, Bray S, Moore AW
"Chromatin modification of Notch targets in olfactory receptor neuron diversification."
Nat Neurosci 15(2):224-33 (2012). - Karim MR, Moore AW
"Convergent local identity and topographic projection of sensory neurons."
J Neurosci. 31(47):17017-27 (2011). - Kinameri E, Inoue T, Aruga J, Imayoshi I, Kageyama R, Shimogori T, and Moore AW:
"Prdm proto-oncogene transcription factor family expression and interaction with the Notch-Hes pathway in mouse neurogenesis.",
PLoS One, 3(12), e3859 (2008). - Jinushi-Nakao S, Arvind R, Amikura R, Kinameri E, Liu AW, and Moore AW.:
"Knot/Collier and cut control different aspects of dendrite cytoskeleton and synergize to define final arbor shape.",
Neuron, 56(6), 963-78 (2007).
主宰者
- Adrian Walton MOORE
- チームリーダー
メンバー
- 野呂 行彦
- Saman EBRAHIMI
- 研究員
- Caroline DELANDRE
- 研究員
- 鍾 嘉燕
- 研究員
- Cagri YALGIN
- 研究員
- Tobias HOHENAUER
- 国際特別研究員
- Li Foong YOONG
- 訪問研究員
- 秋本 沙織
- テクニカルスタッフ
- 笠間 直子
- アシスタント
- 元山 純
- 客員研究員
- 常盤 和代
- 一般事務パートタイマー