平成16年2月13日
独立行政法人理化学研究所

独立行政法人理化学研究所の不適切な経理処理問題等の調査結果について

1. 経緯
 独立行政法人理化学研究所(以下「理研」という。)の理事であった(1月14日付辞任)谷畑勇夫が、理事就任(平成15年4月2日)前のRIビーム科学研究室の主任研究員であった期間において、環境セクシャルハラスメント問題、不適切な経理処理問題等をおこしていたとの疑惑について、理研の相談員制度により、昨年相談があった。
 理研では、これを重大な問題であると認識し、内部に弁護士も含めた調査委員会を平成15年12月1日に設置し厳正に調査を行った。
 調査の結果、研究活動の責任有る管理者として、あってはならない不適切な経理処理等が認められた。

2. 調査の概要
1) 調査事項
(1)女性研究員との親密な関係により、周囲の者に不快感を与えたという環境セクシャルハラスメント問題
(2)研究室運営における不適切な経理処理問題
(3)目的と異なる海外出張
2) 調査結果
(1)女性研究者との交際が直ちに環境セクシャルハラスメントだったとは断定できないが、谷畑前理事(当時は主任研究員)の行動が周囲の者に不快感を与えたのは事実であり、管理職として不適切な対応であったことが認められた。
(2)同研究室に共同研究員として在籍していた外国人研究者の滞在費について同人が一時帰国した際に、当該期間分の滞在費を同人に返還請求を行い、150万円を受領したが、当該金員を理研に返還せず研究室の経費に使用していた。
(3)同じく共同研究員として在籍していた、(2)とは別人の外国人研究者が日本の大学の大学院に入学する際に入学金及び授業料を下記(4)の中から立て替えて支払ったが、この立替金額について約160万円上回って返還させ研究室の経費に使用していた。
この上回って返還された分については、速やかに同人に戻されるべきである。
(4)谷畑前理事が事務局責任者をしていた国際会議(平成8年度開催)の際に、理研の負担額である500万円以外に、外部分担金の入金前に理研が一時的に立て替え払いした210万円について、外部分担金の入金後も精算行為を行わず、研究室の経費として留保していた事実が認められた。
(5)平成10年度の海外出張の際に用務のない国へ私的な目的で行った旅行について、出張用務として旅費を請求していた事実が認められた。
当該旅費の金額は約6万円となる。
(6)研究室の経費として使用した金員について調査した結果、研修学生の旅費、研究者の謝金等の研究活動の費用の支弁又は研究活動の費用の一時立替に使用されており、個人の私的な使用に支出された事実は見当たらなかった。

3. 理研が行う措置
(1)不適切な経理処理分の返還請求
(2)退職金の不支給
(3)今後、理研に係わる研究活動の禁止
(4)役員、関係部長等への口頭厳重注意
(5)全管理職員に対して文書による綱紀粛正訓示
(6)全研究室の責任者に対する調査実施

4. 今後の再発防止対応
(1)意識改革を目指した管理職員研修の充実
(2)内部監査体制の強化
(3)相談員制度の充実強化(倫理ホットライン(仮称)設置)
(4)研究室に密着したクロスチェック体制の構築
(5)総括担当理事を委員長とする「綱紀点検調査委員会」で更に検討

以上


参考
調査委員会の開催
第1回調査委員会 平成15年12月18日
第2回調査委員会 平成15年12月24日
第3回調査委員会 平成16年1月9日
第4回調査委員会 平成16年2月12日



理事長のコメント