理研研究者起訴問題について


 理化学研究所(理研)は、その組織の一つである脳科学総合研究センターに所属する岡本卓 神経変性シグナル研究チームリーダーに対して、2001年5月に米国司法当局が行った経済スパイ法容疑による起訴について、自主的に事実関係の調査を行ってきた。

 調査は理研研究者起訴問題調査委員会(構成は理事長、副理事長、所長、理事、他関係職員)と、その下に設けられた二つの調査チームによって実行された。理研研究者4名と外部専門家2名からなる調査第一チームは主として科学的観点からの調査を行い、3名の弁護士からなる調査第二チームは主として職員採用のプロセス、試料持込等の事実関係について調査を行った。調査第一チームの報告はすでに公表し、調査第二チームの報告も本日公表するに至った。これらの調査は現段階で理研として実行可能な最大限のものであると考える。

 両報告によって、米国クリーブランド・クリニック財団由来の試料が理研に持ち込まれた形跡はあるものの、理研が持ち込みを意図し、また、その試料を研究に使用した事実は見られないこと及び岡本チームリーダーの採用経緯についても疑念を持たれるような点はなかったことが明らかになった。

 この報告を受けて、理研研究者起訴問題調査委員会及び理研は、訴状にある合衆国法律集第18章第1831条にいう違法行為に理研が組織として意図的に関与したことは無かったと判断した。

 なお、調査第二チームの報告において、研究試料の持込の手続きや職員の採用手続き等について改善すべき点が指摘されている。理研はこれらの指摘を真摯に受け止め、今後、同様な問題が起こることを防ぐべく改善策の検討を開始する。



平成13年7月31日
理 化 学 研 究 所
理 事 長 小 林 俊 一