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小児ぜんそくなどを引き起こす悪玉細胞の発生起源を解明

−アレルギー・炎症性疾患治療への応用に期待−

平成24年2月8日

冬になるとぜんそくが悪化したり、風邪をひいてこじらせたりすることがありませんか?免疫反応は病原菌やウイルスなど外敵を排除して体を守る、なくてはならない生理機能ですが、これが花粉やダニなど特定の抗原に反応してアレルギーのような過剰反応を引き起こすことがあります。なかでも小児ぜんそくは小さな子供が発症し、その数が年々増加している病気で、冬に流行するRSウイルスの感染との関連性が古くから指摘されてきましたが、関与する細胞など、その詳細な発症機構は明らかではありませんでした。

理研の研究グループは、ぜんそくなどで見られる気道過敏性の鍵を「IL-17RB陽性NKT細胞」という細胞が握っていることを突き止めました。今回、細気管支炎や肺炎など、ぜんそくを重症化に関与するRSウイルス感染において、「IL-17RB陽性NKT細胞」が炎症の引き金を引いていることがマウスを使った実験で明らかとなりました。また、この細胞は胸腺という臓器で、他のNKT細胞とは異なる独自の分化経路で発生することを発見し、アレルギーを発生し易いマウスのほうが発生しにくいマウスに比べ3〜4倍多いことを見出しました。この結果は、体質によって「IL-17RB陽性NKT細胞」が生まれやすさが異なること、すなわちヒトにおいてアレルギー体質の人とそうでない人との差を見出すことが可能であることを示唆する結果です。マウスの解析で得られた今回の成果をもとに、今後、この細胞のヒトでの機能や存在の個人差などを解析することにより、小児ぜんそくなどの新しい診断法や治療法の開発につながると期待できます。


[発表者]
免疫・アレルギー科学総合研究センター 免疫制御研究グループ
谷口 克グループディレクター、渡会 浩志上級研究員らの研究グループ