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細菌やウイルスに対する最初の生体防御のシステムが明らかに

−形質細胞様樹状細胞が感染免疫応答の活性化に重要な役割を担う−

平成23年12月16日

江戸の町火消しは先を争って火元の屋根で纏(まとい)を振ったそうです。では、生体が細菌やウイルスなど病原体の攻撃を受けた時に真っ先に飛び出していくのは何でしょうか?

生体には免疫という自己防御システムが備わっています。病原体を認識して排除することで病気や感染から守る優れたシステムですが、これまで最初の動き、つまり“先発隊役”の仕組みがよく分かっていませんでした。

そこで、免疫・アレルギー科学総合研究センターの研究チームは、最初にどのような免疫細胞が病原体を感知し、免疫システムを発動させるのかについて調べました。病原体の侵入を感知するセンサー役として樹状細胞と呼ばれる免疫細胞があり、通常型樹状細胞と形質細胞様樹状細胞に大別されます。研究チームは、免疫システムの中で情報伝達屋の役割をもつサイトカインという物質の一種であるI型インターフェロンの生産能が高い形質細胞様樹状細胞に着目しました。

マウスを使って実験を行った結果、生体が病原体に感染すると、一番初めに形質細胞様樹状細胞が感知することが分かりました。そして形質細胞様樹状細胞は、I型インターフェロンの分泌をコントロールして通常型樹状細胞などの免疫細胞を活性化し、かつ感染細胞を攻撃するキラーT細胞の動きを活発にすることが分かりました。この仕組みを応用することによって、感染症ワクチン開発を含む新たな治療法の開発につながると期待できます。


[発表者]
免疫・アレルギー科学総合研究センター 樹状細胞機能研究チーム:佐藤克明チームリーダーら