血小板の数や大きさに個人差がある理由を解明
−心筋梗塞や脳梗塞など、血液検査項目によるリスクの正確な予測に貢献−
皆さん、健康診断はきちんと受診していますか?検査項目の中にPLT(血小板)という項目があるのはご存知ですか?血小板は、赤血球、白血球とともに血球中の細胞成分の1つで、血管が傷ついたときに傷口をふさぎ、出血を止める役割を持っています。血小板の数や大きさの値は、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを予測するためにも有効なため、医療現場では検査項目として広く測定されているのです。ただ、その値には個人差があることが指摘されており、正確な診断のためにも原因究明が急がれていました。
2008年、この血球成分の個人差の遺伝的背景を解明することを目的に国際共同プロジェクト「ヘムジェン コンソーシアム」が発足、ゲノム医科学研究センター統計解析研究チームはこれに参加して日本人を対象とした研究を担当しています。
研究グループは、ヒトゲノム全体に分布する約250万個の一塩基多型(SNP)について、欧米人集団66,867人から得た血小板の数や大きさとの関連を調べる大規模な解析(ゲノムワイド関連解析)を行いました。この結果を日本人集団14,697人を含むアジア人集団22,922人から得た解析結果と照合したところ、血小板の数や大きさに関わるSNPをもつ68個の遺伝子を同定し、そのうちの15個が欧米人集団とアジア人集団とで共有されていることを発見しました。また、68個の遺伝子が作り出すタンパク質は、互いに影響しあう相互作用ネットワークを作っていることを発見しました。さらに、ゼブラフィッシュやショウジョウバエを用いた実験では、血球成分の形成に関わる15個の遺伝子を確認しました。これら同定した遺伝子を対象に研究を進めることで、血小板の制御機構の解明や、病気の発生リスクの正確な予測などが可能になると期待されます。PLTに興味を持っていただけましたか?