複数の異なるモノマーの精密共重合を希土類重合触媒の組み合わせで実現
−幅広い高性能高分子材料の開発に新しい道を拓く−
平成23年10月14日
プラスチックや合成ゴムなどの高分子合成分野で、新しい機能を持つ材料の開発が活発に行われています。特に性質の異なる複数の単位物質(モノマー)を多数つなげてできた共重合体高分子材料は、単一のモノマーからなる材料にはない特別な機能を持たせることができることから注目されています。合成には触媒を用いますが、1つの触媒を使って共重合させる従来の方法では複数のモノマーの立体構造を制御することが困難でした。
基幹研究所侯有機金属化学研究室の研究グループは、モノマーであるスチレン、イソプレン、ブタジエンそれぞれの立体制御に適した2種類の触媒を組み合わせ、さらに2つの触媒間でポリマーの成長鎖を自由に行き来させる試剤を使って、3つのモノマーの立体構造を制御する共重合反応に挑みました。この結果、耐熱性や耐薬品性に優れたシンジオタクチックポリスチレン、天然ゴムの主成分であるシス-1,4-ポリイソプレン、ブタジエンゴムとして使われるシス-1,4-ポリブタジエンという3つの構造を持った「三元共重合体」の合成に成功しました。この成果は、性質の異なる複数のモノマーの共重合における立体制御の新しい手法となり、従来の触媒系では合成困難な新しい高分子材料の開発につながるものと期待されます。