タンパク質機能の謎を解く新たなカギは小分子化合物
−高速探索システム「化合物アレイ」で新規バイオプローブを発見−
平成22年8月16日
生体を構成しているタンパク質は、生命活動の担い手として、複雑な生命現象を生みだしています。しかし、その膨大なタンパク質の中で機能が解明できているものはほんの一握りで、多くは機能が未知のままとなっています。このため、タンパク質の機能解明の糸口となる、タンパク質の機能を阻害する小分子化合物(バイオプローブ)を探索することは、医薬品開発や生命現象の解明に欠かせません。
基幹研究所ケミカルバイオロジー研究基盤施設の研究チームは、生体に広く存在しながらその機能が不明なタンパク質「ピリン」の機能を阻害する、分子量がわずか400程度の小分子化合物「TPh A」を化合物アレイという手法を使って発見しました。さらに、発見したこのTPh Aを活用して、機能不明なピリンが悪性黒色腫の運動に関与することを突き止めました。
機能が未知のタンパク質に結合して、その機能を阻害する小分子化合物を見いだすためには、数千種、あるいは数万種の小分子化合物を用意し、目的のタンパク質と結合するかどうかを調べる必要があります。
今回の研究では、研究チームが独自に開発した、すべての小分子化合物を一度に、しかも簡単に固定化させる化合物アレイにピリンを流し込み、結合する小分子化合物を効率的に探索することに成功しました。
化合物アレイを活用したバイオプローブの探索が、機能の未知なタンパク質のカギを解くツールとして機能すること証明したと注目されます。