CCR6遺伝子が関節リウマチの発症に関与することを発見
−CCR6遺伝子は、ヘルパーT細胞の1種「Th17細胞」の活動性を個人別に制御−
平成22年5月10日
自己のタンパク質に対する免疫異常で発症する関節リウマチ(RA)は、代表的な自己免疫疾患の1つで、厚生労働省の統計によると患者は50万人にも達しています。その原因には、多くの遺伝因子と喫煙などの環境因子が関与していることが明らかとなっています。特に、近年の遺伝子解読技術の発展に伴い、ヒトやマウスで原因遺伝子がいくつか見つかり、そのDNA配列の多様性(遺伝子多型)が、RAのかかりやすさに影響を与えることが分かってきました。これらは、一般の人も保有するごくありふれた遺伝子多型であり、相互作用しながら免疫反応を支配していると考えられています。
ゲノム医科学研究センターの自己免疫疾患研究チームらの研究グループは、ヒトゲノム全体に分布する約55万個のSNPについて、RA集団2,303人と非RA集団の3,380人、追認試験としてRA集団4,768人と非RA集団17,358人という、これまでにない大規模で包括的なゲノムワイド関連解析を実施しました。その結果、免疫システムの司令塔となるTh17細胞で多く発現する「CCR6遺伝子」の多型が関連を示し、RAの発症を約1.5倍高めること、炎症を誘導するサイトカインIL-17の濃度も同様の傾向を示すことを突き止めました。さらに、この遺伝子の多型が、ほかの自己免疫疾患であるクローン病やバセドウ病の発症にも関係していることも発見しました。
Th17細胞の活性が高いRA患者に対して、CCR6タンパク質が有効な治療の標的になるとともに、既存の治療で効果の上がらない患者へも有力であると期待されます。