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糖尿病腎症に関連する遺伝子「ACACB」を発見

−2型糖尿病患者の腎症発症リスクが1.6倍に高まる−
平成22年2月12日

図 腎臓組織の一部である糸球体の顕微鏡写真

国際糖尿病連合の集計によると糖尿病の患者数は、全世界で3億人に迫っており、2030年には4億3500万人に増えると予測されています。糖尿病には若年者に急激に発症する1型と、食事や運動などの生活習慣が関係するとされる2型などがあり、2型は日本人の糖尿病の9割以上を占めています。糖尿病は治療せずに放置すると網膜症や神経障害、腎症などの糖尿病に特有の合併症を引き起こすとともに、心筋梗塞や脳梗塞の危険を増す事が知られています。このうち糖尿病腎症は透析導入原因として最も多いものです。理研・ゲノム医科学研究センター 内分泌代謝疾患研究チームは、この糖尿病腎症に関連する遺伝子「ACACB」を発見し、この遺伝子のわずかな違い(一塩基多型;SNP)により、腎症の発症リスクが1.6倍に高まることを明らかにしました。

腎症を発症するのは全糖尿病患者の3〜4割で、その発症には遺伝的な要因(体質)が関係していると考えられていましたが、どのような遺伝子が関係するかは今まで明らかにされていませんでした。

図 透析導入原疾患の年次推移

研究チームは、1,312人の2型糖尿病患者のDNAを使ってケース・コントロール関連解析を行い、「ACACB」遺伝子の一塩基多型が糖尿病腎症と強く関係していることを突き止めました。さらにシンガポールやデンマーク、米国の糖尿病専門の研究者との共同研究の結果、このACACBは人種を超えて2型糖尿病患者の腎症発症に深く関わる事を明らかにしました。これまで、「ACACB」遺伝子が、糖尿病腎症とかかわっていることはまったく知られておらず、糖尿病腎症の発症メカニズムの解明や新たな治療薬、予防薬開発に貢献すると期待できます。