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未利用のバイオ資源の有効活用に向け、代謝混合物の新たなNMR評価法を開発

―捨てていた“もったいない(MOTTAINAI)”物質や情報資源を拾い上げる―
平成22年1月28日

図 従来は隠れていた情報を洗い出す

エネルギーや食糧問題、地球温暖化など、人類が解決すべき課題は山積しています。この難問を解決するために、持続可能型社会システムの構築が急がれています。解決策の1つとして、未利用のバイオマス資源の有効活用が注目され、農林産物の未利用部位から機能性成分の探索や、緑地・農地などから排出される植物廃棄物などの活用を目指した試みがスタートしています。

植物科学研究センター先端NMRメタボミクスユニットは、未利用のバイオマス資源を有効活用するため、幅広い物質情報を取得することが可能なNMR(核磁気共鳴)法を使い、植物代謝物の抽出プロセスのプロファイリングと網羅的代謝物アノテーションの開発に成功しました。

抽出プロセスのプロファイリングは、抽出残渣を含む代謝混合物の抽出成分情報を、抽出操作による組成成分の変化まで考慮して整理し、網羅的で体系的に評価する手法として確立したものです。植物代謝物を有効に活用するための抽出プロセスを考案、評価する方法として利用できます。また、統計数学的手法でNMRスペクトルから代謝物を検出する、網羅的代謝物アノテーション法を開発しました。これにより、埋もれていた情報資源を有効に取得できます。今回、1つのNMRスペクトルから、従来の常識を覆して211物質ものアノテーションを実現しました。

今後、埋もれていた植物代謝資源ばかりか、微生物、動物を問わず広く生物化学資源の活用に貢献すると期待できます。