研究成果などを集積して、研究活動のツールとして活用されてきたデータベースは、インターネットの発達によって拡大し続け、ウェブ上で研究プロジェクトを組織できるまでになっています。現在では、データベースをウェブで公開すること自体が、学術雑誌で発表するのと同様に、学術的な発表として頻繁に行われています。
しかし、学術雑誌に並ぶ、発表メディアがこれまでないため、個々の研究者が自らウェブサイトを立ち上げねばならず、発表後もサービスを維持・管理していく運用コストが大きな負担でした。さらに、乱立する独立サイトの公開方法が必ずしも国際基準規格に準拠していないため、分かりづらいことが問題となっていました。
理研生命情報基盤研究部門は、国際標準規格「セマンティックウェブ形式」に準拠した共通基盤「理研サイネス」を開発し、これらの問題を解決しました。この理研サイネスは、個々の研究者がウェブサーバーの維持をせずに、データベースを丸ごと成果物として発表できる新しい学術メディアとなります。また、研究者自身がサイバースペース上でバーチャルな研究プロジェクトを組織することを支援し、各研究プロジェクトを機密性高く区切り、未公開情報の管理や大規模なデータを介した研究業務フローを、プロジェクトごとに柔軟に設定することを可能にしました。理研サイネスは、情報連携基盤として多目的に利用できるため、日本の研究者に国際連携研究の中核として主導権を発揮するチャンスをもたらすと期待できます。
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