ダーウィン親子予言の植物成長ホルモン「オーキシン」の生合成経路を解く
- シロイヌナズナに存在する特別なオーキシン生合成経路を発見 -
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図 IAOxを介するオーキシン生合成経路の高温状態における役割 草花が日光を浴びると、植物ホルモンの働きにより、光を感じて茎や根が生長の方向を変えることが知られています。この植物ホルモンの存在は、進化論で知られるチャールズ・ダーウィンと息子のフランシス・ダーウィンの親子が1880年に予想し、1931年に、ギリシャ語で成長を意味する「オーキシン」と名付けられました。すでに、オーキシンは農業や園芸で応用されていますが、植物がどのようにしてこのオーキシンを作っているかは、植物にオーキシンが微量にしか含まれないことや、生合成経路が複雑すぎることが理由でナゾのままでした。
 植物科学研究センターの生長制御研究チームは、首都大学東京、森林総合研究所などと共同で、液体クロマトグラフィー・エレクトロスプレーイオン化・タンデム型質量分析装置(LC-ESI-MS/MS)という最先端の質量分析機器を使って、オーキシンの生合成経路をひも解くことに成功しました。この分析装置は、シロイヌナズナ1グラムあたりにわずか1ナノグラムという微量なオーキシンの生合成中間物質(IAOx)を分析できる能力を持ちます。
 この分析装置を使って、モデル実験植物として知られているシロイヌナズナには、イネ、トウモロコシ、トマトにはない固有のオーキシン生合成経路があることを初めて明らかにすることができました。また、シロイヌナズナが、成育に不利な26℃という気温の高い環境にさらされると、独自の経路で生合成したオーキシンが、生長を助ける重要な働きをすることを突き止めました。
 オーキシンがどのように植物で作られているのか、というナゾを解く鍵となる分析技術の確立は、受粉しなくても大きな実を結ぶトマトや、発根しやすい挿し木の技術など、新たな植物の開発を可能にすると注目されます。
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