生体を生きたままで微細観測が可能な「水の窓」領域のX線を発生
- 動く生体の「その場観測」に応用可能な卓上サイズのコヒーレント軟X線発生源が登場 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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図 超短パルス赤外レーザーをネオンガス媒質に照射した際に発生した高次高調波のスペクトル X線は、歯科の診療、肺炎、結核、肺がんなどの肺の診断、骨折や骨の変形の診断など、体は透過するが、骨やがん細胞などは透過しないため、さまざまな体の様子を見極めるために広く活用されています。こうした活用は、X線が生体の構成要素によって透過度が違うことに起因しています。しかし、生体分子である細胞は水分が多く、透過度が高いため、脱水しない限り、その中身の様子を識別することができません。
 ところが、X線と紫外線の間にある軟X線は、透過度が弱まり、物質との相互作用が高まります。とくに、2ナノメートルから4ナノメートルの波長のX線(軟X線領域)は、水の層は透過しますが、タンパク質などは透過しません。そのため、この波長領域は、水分を含んだまま生体を観測できることから「水の窓」と呼ばれています。 
図  高次高調波発生における位相整合の概念図 基幹研究所研究エクストリームフォトニクス研究グループ高強度軟X線アト秒パルス研究チームは、赤外域の超短パルスレーザー光を原子に照射して、従来の100倍の高効率で、このレーザー光を軟X線レーザー光に変換する手法を確立しました。卓上サイズでコヒーレントな「水の窓」領域のX線発生が成功し、生体を生きたままで観察することができるコンパクトな観測システムの実現に近づきました。
 生体観察の夢とされている軟X線顕微鏡の開発や、実現が間近とされるX線領域のレーザー光であるX線自由電子レーザー(XFEL)へのシード光源などへの応用も期待できます。
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