のどがヒューヒュー鳴り、咳が止まらない厄介な発作が続くぜんそくは、治りにくい病気の1つに数え上げられています。一方、食物アレルギーや花粉症などアレルギー疾患は多岐にわたり、日本人では約3割の人がかかる国民的な病気となっています。この2つの病気に深く関係するアレルギー性ぜんそくは、世界保健機関の統計でも、世界で3億人、日本で約300万人の患者数が報告され、増加する一方となっています。
原因は、花粉、ダニ、ハウスダストなどのアレルギー物質であったり、風邪のウイルス、タバコ、香水の強い香りであったり、と外界からの刺激が要因とされています。アレルギー性ぜんそくは、こうした刺激により、のど(気道)の過敏が高まって発症するとされていますが、その分子メカニズムや原因細胞は分かっていませんでした。
免疫・アレルギー科学総合研究所センター免疫制御研究グループは、アレルギーを伴い気道過敏を引き起こす悪玉細胞が、細胞間のコミニケーション機能を果たすインターロイキン-17レセプターB(IL-17RB)という受容体を特異的に発現する、一部のナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)であることを発見しました。アレルギーモデルマウスを使った実験で、この悪玉細胞が実際に気道過敏症に関与していることや、モデルマウスに抗IL-17RB抗体を投与すると、アレルギー性気道炎症の発症を抑制できることも突き止めました。
この分子メカニズムの知見から、抗体治療などを利用して悪玉細胞を人為的に制御できれば、気道過敏症の悪化を抑制でき、社会的に求められているアレルギー性ぜんそくの克服が実現できます。
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