電化製品のまわりにホコリが集まったり、スカートがまつわりついたり、セーター脱衣時にパチパチしたり、静電気は私たちの日常生活で身近な存在です。レーザープリンターや集塵装置など、静電気を活用した製品もたくさんあります。静電気は、プラスの電荷と、マイナスの電荷が互いに引き合う静電引力と、プラス同士やマイナス同士で反発し合う静電斥力からなります。
この2つの力を“分子1個”という極微小空間でとらえることは、分子1個の外部電場に対する応答を精密に観測することが困難であったため、いまだに実現していませんでした。
基幹研究所川合表面化学研究室は、金属表面に吸着した有機分子の電場応答現象を単一分子レベルで可視化し、そのメカニズムを解明することに世界で初めて成功しました。外部電場に対する単分子応答現象をとらえる研究は、世界中で熾烈な競争が繰り広げられており、今回、吸着分子1個を自由自在に制御できたことは、その先鞭をつけたことになります。可視化には、原子レベルの空間分解能を持つ走査トンネル顕微鏡を用い、分子を1個、1個の運動を正確にとらえる方法を使いました。
研究チームは、この電場応答現象を活用して、すでに、簡単な分子ナノ集合体の設計や構築に成功しており、 「分子ナノスイッチ」や「機能性分子ナノ構造像体」といった、さまざまな機能を持つ分子ナノデバイスの構築へ向けて、確実に一歩前進することになりました。
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