マイケル・クライトン原作のSF小説「ジュラシック・パーク」に代表されるように、映画や小説の中では、クローン技術を駆使して絶滅動物を復活させる物語がよく描かれます。実際に、シベリアの永久凍土に眠るマンモスを復活させようという計画が世間をにぎわせたこともあります。しかし現実には、絶滅動物復活の鍵となる核移植技術が、現在のところ生きた細胞しか使えないため、不可能とされていました。
発生・再生科学総合研究センターゲノム・リプログラミング研究チームは、独自の核移植法を開発し、マウスを用いて、これまで不可能とされていた凍結死体からクローン個体を作ることに成功しました。永久凍土に近いマイナス20℃で16年間にわたって冷凍保存されていたマウスの細胞から核を取り出し、マウスの卵子に移植してクローン胚まで育て、その一部からクローンES細胞を樹立、 再度核移植を行った結果、
ドナーマウスとDNA、性別、毛色が完全に一致 するクローンマウスが生まれました。
クローン胚への発生率は脳細胞由来の核を使用した場合がもっとも高く、血液細胞の核を使った場合がそれに続きました。血液細胞であれば、どの組織が発見されても入手可能なことから、今回開発した新しい核移植技術は、絶滅動物の復活の可能性を大きく高めたといえます。16年間の時を経て復活したクローンマウスは、繁殖にも成功し、子供のマウスが元気に飛び回っています。
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