強烈な直射日光を浴びた夏が過ぎ、気になりだすのが、日焼けによってできたシミやそばかす。これらはメラニン色素が皮膚に沈着することで生じます。メラニン色素は、メラノサイトと呼ばれる、皮膚の基底層にある特殊な細胞の核周辺でつくられ、細胞内顆粒のメラノソームに蓄積されます。その後、成熟したメラノソームは、細胞内の微小管とアクチン線維に沿って、細胞膜まで運ばれ、隣接する皮膚を作る細胞や毛を作る細胞(毛母細胞)に受け渡され、その結果、皮膚や毛髪の暗色化が起こります。
このメラノサイト内のメラノームの輸送は、「Rab27A」と呼ばれる低分子量のGタンパク質が、エフェクターと呼ばれるタンパク質に特異的に結合することで正常に進みます。
理研生命分子システム基盤研究領域は、高エネルギー加速器研究機構らとともに、メラニン色素の輸送に必須のタンパク質「Rab27」の2つの複合体の構造を世界で初めて解明しました。また、解析した構造を基に、エフェクターを認識する重要なアミノ酸残基を同定しました。
これらのタンパク質間の結合阻害や安定化が、メラノソーム輸送の人為的な制御につながることから、この研究成果は、肌の美白の維持や白髪発生の抑制効果をもつ薬剤設計を可能にすると期待されます。
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