生命の源となっている20種類のアミノ酸が結合した分子は、からだを創りあげるタンパク質として知られています。筋肉や心臓、神経など、からだそのものがタンパク質で、情報を伝えたり、病気を治したりする機能も持ち合わせています。同時に、がんをはじめとする病気を生み出す元凶もタンパク質です。
このタンパク質の構造や機能を知ることができると、生命そのものの複雑なメカニズムを解き明かし、さまざまな疾患を治したり防いだりすることができます。
メカニズム解明の最も有力な手段の一つとして、タンパク質のX線結晶構造解析があり、そのためにはタンパク質の結晶を作ることが必須です。しかし、生物学上重要なタンパク質のほとんどは、その不安定性などが原因で結晶を作りにくいタンパク質であり、難解析性タンパク質と呼ばれています。
理研放射光科学総合研究センタータンパク質結晶構造解析研究グループは、難解析性タンパク質結晶のタンパク質分子に部分変異を導入して、結晶構造解析が可能なタンパク質に作り変える技術を開発しました。タンパク質の構造が安定な超好熱古細菌のタンパク質をモデルにアミノ酸残基を改変し、結晶構造の解析が難しいタンパク質を駆逐する「タンパク質結晶工学」を確立する手ごたえを、世界に先駆けて得ることができました。
これまで、解析することが難しかった疾患関連のタンパク質の構造解析に道を開き、構造に基づいた薬品開発のスピードを加速させると期待できます。
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