さまざまな「体内時間」が生まれる仕組みを解明
- 「昼」と「夜」ができる仕組みなど、時を刻む仕組みが明らかに -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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図 体内時計のネットワークを人工的に細胞内に構築しさまざまな体内時刻ができる仕組みを解明 バクテリアをはじめショウジョウバエ、マウス、人など、生物には、リズムを刻む体内時計が働いています。睡眠と目覚め、体内ホルモンの調節などの生理機能は、このリズムに合わせて営みを続けています。
 体内時計には、朝・昼・夜の基本的な時刻に遺伝子を発現させる3つの制御DNA配列と、約20個の時計遺伝子(転写制御因子を含む)が、時計の部品として備わっていることがわかっています。さらに、これら部品が互いに制御しあう様子を表した複雑な「設計図」(転写制御ネットワーク)も提示されてきました。しかし、この設計図どおりに、部品が従い、正確に時を刻んでいるかは証明できていません。
 発生・再生科学総合研究センターシステムバイオロジー研究チームと機能ゲノミクスユニットは、培養細胞中に人工的な転写制御ネットワークを構築することで生命システムの理解を試みる新たな研究戦略を実現しました。細胞を用いた「物理的シミュレーション」ともいえるこの研究戦略は、「リアル」な自然の生命現象と「バーチャル」な計算機実験との架け橋となりえます。実際に研究チームは、体内時計に似せた人工の転写ネットワークを細胞内に構築し、 「昼」と「夜」の転写出力を再現することに成功し、「昼」と「夜」の設計図が完全であることを証明しました。さらに、体内時計の転写制御ネットワークが、さまざまな時刻(位相)や強さ(振幅)を持つ転写出力を作り出す設計原理を明らかにしました。体内時計の理解を大きく前進させるこの成果は、リズム障害などの効果的診断や治療の開発につながると期待されます。
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