「電波」は電子レンジ、携帯電話などに使われ、「光」のおかげで物や景色を見ることができます。 電波や光は電磁波の一種でその周波数によって性質が異なります。電波と光の間の周波数(0.1〜100テラヘルツ(1兆ヘルツ))をもつ電磁波を、「テラヘルツ光」と呼びます。いろいろな周波数のテラヘルツ光を照射したとき物質によって吸収パターンが異なります。これを指紋スペクトルとよび、これからさまざまな試薬、覚せい剤を含めた薬剤、農薬などを特定することができます。また、可視光では中を見ることができない鞄や封筒などを、テラヘルツ光で透視することもできます。
指紋スペクトルとテラヘルツ光の透過性を組み合わせることで、封筒を開封せずに危険物を見つけたり、食品パック内の異物を見つけることも可能です。絵画の下書き、絵の具の重ね塗りの様子も知ることができます。色々な物質のスペクトルを収集、分類し、データベース化することはテラヘルツ光利用にきわめて重要です。
理研・基幹研究所先端光科学研究領域テラヘルツ光研究グループと情報通信研究機構(NICT)新世代ネットワークセンターの研究グループは、実験・研究用試薬や絵画の材料など、約500種の物質のテラヘルツ光に関するスペクトルを集めた「統合データーベース」を構築し、9月15日に公開しました。今後は、イタリア新技術エネルギー環境公社などと協力してデータを充実させ、2010年に約2,000件のデータ量を目指します。理研とNICTは、テラヘルツ光領域の世界最大規模データベースを育てていく第一歩を踏み出しました。
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