植物の抗酸化成分フラボノイドの新規生合成経路を発見
- 詳細な代謝マップにより、成分改変を目指した統合的戦略が可能に -
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図 フラボノイドの基本構造と発見したフラボノールの代謝反応 植物の天然成分のフラボノイドは、身体を酸化させる原因となる活性酸素の除去、高血圧の改善、抗がん作用など健康を増進する機能が注目を集めています。大豆に含まれるイソフラボン、そばのルチン、花や果実の色素成分で赤ワインに含まれるアントシアニン、緑茶のカテキンなどが知られ、現在までに7,000種の構造が明らかとなっています。
 このフラボノイドが、植物中で安定に蓄積するためには、配糖化酵素「UGT」が働いてフラボノイドの骨格に糖を付加することが必要です。モデル植物のシロイヌナズナでは、これまでに天然の糖であるグルコースやラムノースを付加するUGTが5つ見つかっていますが、それ以外のUGTは、存在が示唆されながら見つかっておらず、フラボノイド配糖化の詳細な代謝マップは明らかとなっていませんでした。
 植物科学研究センターの代謝機能研究チームとメタボローム解析研究チームは、シロイヌナズナの葉、花などのいろいろな器官やフラボノイド合成変異体を網羅的に調べ、シロイヌナズナが43種類のフラボノイドを生産していることを突き止めました。また、生合成に関与する遺伝子を探索した結果、フラボノールにアラビノースを転移する酵素遺伝子「UGT78D3」を発見しました。同時に、この酵素が関与して生産する3種の新規フラボノイドの構造も明らかにしました。
 今回、フラボノイドの新たな代謝経路が明らかとなり、これを利用して今後さらに関連する遺伝子や代謝系が見つかると、医・食、工業材料など人類に欠かせない有用成分を植物の改変で獲得する、俯瞰的な戦略を立てることができると期待されます。
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