2型糖尿病に関連する遺伝子「KCNQ1」を発見
-日本人の2型糖尿病発症の2割に強く関与 -
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KCNQ1遺伝子内のSNPと2型糖尿病との関連 生活習慣病の代表とされる糖尿病は、高年齢化とともに急増しており、かかる医療費も糖尿病だけで1兆円を優に超えていることから、その対策が社会的な課題となっています。厚生労働省平成14年度の糖尿病実態調査によると、わが国の糖尿病患者数は740万人、予備軍を合わせると1,620万人に達し、 40歳以上では4人に1人が糖尿病あるいはその予備軍といわれています。糖尿病患者数の増加は世界規模でみられ、そのほとんどは2型糖尿病とされています。2型糖尿病は多くは成人で発症し、その発症には血糖値を下げるホルモンのインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」とインスリンの分泌が悪くなる「インスリン分泌低下」により引き起こされますが、遺伝的要素(なりやすい体質)が深く関係していることが知られています。しかしながら、今まで日本人をはじめとする東アジア人では、2型糖尿病発症に強く関わる遺伝子は発見されていませんでした。
 理研ゲノム医科学研究センターの内分泌代謝疾患研究チームは、文部科学省の『個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト(オーダーメイド医療実現化プロジェクト)』で実施した解析から、遺伝子「KCNQ1」が、2型糖尿病の関連遺伝子であることをはじめて発見しました。この遺伝子は、細胞のカリウムチャンネル遺伝子の1つで、心臓の筋肉で重要な働きをしていることは知られていましたが、糖尿病との関係はまったくわかっていませんでした。「KCNQ1」の、ある1塩基の違いにより2型糖尿病発症リスクが1.3〜1.4倍となり、試算により日本人2型糖尿病発症の2割に「KCNQ1」の1塩基の違いが関っていると推察できました。また、シンガポールやデンマークの患者でも、「KCNQ1」の1塩基の違いが2型糖尿病と関連することがわかり、日本人だけでなく民族を越えた糖尿病関連遺伝子の発見となりました。
 今後、「KCNQ1」を標的とした新たな治療法や予防法の開発が期待されます。
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