高輝度放射光を光源にした小動物用高分解能in vivo-CTシステムを開発
- 生きたまま小動物の気道末梢部位と冠動脈を世界で初めて3次元動態観察 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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 図 生きたラットやマウスの心臓、大動脈弁、冠動脈、末梢気道の変形 高年齢化やメタボリックシンドロームなどの拡大にともない、肺や心臓を含む呼吸器・循環器系の疾患やがんなどの患者数が急増しています。その治療や予防のため、生体を傷めず無侵襲で病状などを正確に知ることができる高分解能の可視化装置への期待が高まっています。また、新薬開発においても、臨床応用前に必ず行う動物実験で、薬の安全性や効果を確認するために、そのような可視化装置が必要とされています。特に、喘息などの呼吸器疾患や心不全などの心疾患などの治療では、複雑に変形する末梢血管や冠動脈の様子を詳細に観察することが求められています。
 こうしたニーズに応え、さらに新たな治療方法を提案する可能性を秘めた小動物の可視化装置の開発が、世界中で盛んに展開しています。
 理研生体シミュレーション研究チームは、高輝度科学研究センターらと協力し、大型放射光施設SPring-8の医学・イメージングビームラインの放射光を光源とする「高分解能 in vivo-CTシステム」を開発し、生きたマウスやラットの気道末梢部位や冠動脈の3次元動態観察に成功しました。
 開発した装置は、ヒトの約6〜10倍早い小動物の心拍や呼吸のリズムに起因するモーションアーチファクト(データのノイズ)を軽減するために、撮影タイミングを心拍・呼吸と同期させるという工夫を行いました。その結果、従来の装置では撮影することができなかった、マウスの直径125マイクロメートルの気道末梢部位や冠動脈、大動脈弁の3次元動態を世界で初めて生きた状態で観察することに成功しました。
 さらなる装置の高分解能化と、コンピュータを用いた生体シミュレーションを行い、実際の動物実験の結果と組み合わせることにより、副作用の少ない治療方針などが提案できると期待されます。
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