骨代謝にかかわる破骨細胞の分化を阻害する物質を発見
- 破骨細胞の機能解明や新たな骨疾患治療薬の開発に期待 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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図 破骨細胞の分化に対するメチルゲルフェリンの効果とメチルゲルフェリン/マウスグリオキサラーゼI複合体の立体構造 破骨細胞は、骨を溶解(吸収)する細胞として、骨を作る骨芽細胞とともに、生体内で正常な骨組織の発達や血中のカルシウム値の制御を担っています。血液細胞の単球・マクロファージ系の前駆細胞から、単核の破骨細胞に分化したのち、それらが融合して多核の巨細胞へと成熟していきます。
 破骨細胞の骨吸収機能が亢進すると、骨粗しょう症やがんの骨転移など、さまざまな骨疾患を引き起こすことが知られています。破骨細胞の働きを抑えるような薬の開発が、いまだ謎の多い破骨細胞の機能を明らかにし、骨の代謝疾患の治療薬の創製を可能にします。
  理研基幹研究所ケミカルバイオロジー研究領域化合物バンク開発研究グループは、理研天然化合物バンク「RIKEN NPDepo」で保管している24,000個の化合物から破骨細胞の機能を阻害する分子量304の低分子化合物「メチルゲルフェリン」を発見しました。さらに、研究グループが独自に開発した光親和性低分子固定化技術を使って、この物質が細胞内で解毒代謝関連酵素の1つである「グリオキサラーゼT」を標的にして破骨細胞の分化を抑制していることを突き止めました。X線結晶構造解析を行い、メチルゲルフェリンがグリオキサラーゼIと相互作用する様子を分子レベルで明らかにしました。
 破骨細胞の分化メカニズムや機能の解明に重要な鍵を得たことになるとともに、骨代謝にかかわる疾患の治療薬の開発へ貢献することが期待されます。
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