X線自由電子レーザー(XFEL)は、原子レベルの空間分解能とフェムト秒の時間分解能をあわせ持つ新しい光であり、ライフサイエンスやナノテクノロジーに革新をもたらすと大きく期待されています。しかし、SPring-8等の大型放射光施設と比較すると、一度に実験できるビームラインの数は限られます。特に、欧米で提案されたXFELのシステムは、数キロメートルにも及ぶ巨大な規模の装置を必要とするため、多数の施設を建設することは困難です。XFELの利用機会が限定されることが、多様な光科学研究の発展を阻害すると危惧されていました。
理研は、この問題をコンパクトなXFELの開発で解決する事を提案し、その小型試験加速器を建設しました。その後、理研と高輝度光科学研究センターが組織する「X線自由電子レーザー計画合同推進本部」によって装置の改良を進めた結果、今回、波長が50〜61ナノメートルの領域で、極紫外線レーザーを高い出力で安定して発振させることに成功しました。すなわち、出力100メガワット以上のパワーを、強度変動10%以下という安定な状態 (飽和状態) で1日中使用できるようになりました。
今回の実験結果により、2010年に完成する世界最小のコンパクトなXFELが非常に高い性能を有するという期待が高まりました。また、試験加速器の、大強度極紫外光源としての本格的な利用が可能となりました。
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