染色体上のDNA配列の重複・欠失の組合せが世界で初めて推定可能に
- 塩基配列の個人差と病気の関連を探る手法が進展 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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図 実際の遺伝子での観測データへの適用例 生命の設計図である「DNA」は、アデニン、グアニン、シトシン、チミンのたった4種の塩基で描かれています。この4種の塩基の配列をもとに、生体内のさまざまなタンパク質が生み出され、生体を構成するとともに、情報を伝達して生命のメカニズムを動かします。塩基の1個の違い「一塩基多型:SNP」が、がんや生活習慣病、精神疾患の危険因子になりうるとして、世界中で、病気に関わるSNPを探す研究が急ピッチで進んでいます。近年、さらに、ゲノム上の1,000塩基以上のまとまった塩基配列が、欠失や重複、挿入したため、遺伝子などの配列のコピー数が個人間で異なる「コピー数多型:CNV」が、病気のかかりやすさや薬剤応答に大きく影響することが注目され始めました。
 理研ゲノム医科学研究センター情報解析研究チームは、このCNVの構造を、数学的に推定する手法を世界で初めて開発しました。ヒトのように、父方、母方からそれぞれ1本ずつ、2本の染色体を持つ場合、染色体ごとのコピーの構成(ハプロタイプ)は実験で求めるのは困難です。今回、開発した手法は、CNVの各染色体上のコピー数と種類を、数学的に解くアルゴリズムで、ハプロタイプ頻度を推定することが可能となりました。実際に、ヨーロッパ人、アフリカ人集団から得た実験データで、2種類の遺伝子のCNVを調べると、2つの集団のハプロタイプ頻度の違いが16%以上もあることがわかりました。これは、この手法が患者集団と一般集団など、集団間で差のあるハプロタイプを見つけるのに有効であることを示しており、今後、この手法を活用すると、病気にかかわるハプロタイプを見つけ出し、新たな病気診断や治療法を確立することが期待できます。
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