蛍光タンパク質「ドロンパ」のフォトクロミズムの分子機構を解明へ
- X線結晶構造解析と核磁気共鳴(NMR)を駆使し、ドロンパの動的構造を決定 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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図 ドロンパのフォトクロミズムの分子機構 光を吸収すると色の特性が可逆的に変化する現象として「フォトクロミズム」が知られています。情報化社会を加速させ続けている記録媒体材料への応用などで注目を集めています。
 理研脳科学総合研究センターの細胞機能探索技術開発チーム(宮脇敦史チームリーダー)は、2004年11月沖縄の海で採取したアナキッカサンゴから緑色の蛍光を発するタンパク質を見つけました。工夫を重ねて改良したタンパク質は、単に蛍光を発するだけでなく、青緑色の光を当てると蛍光が消え暗状態になり、紫(外)線を当てると再び蛍光を取り戻すフォトクロミズムの性質を持ちます。研究チームは、この明と暗を可逆的に切り換えることができる特性を、忍者の術に例え「ドロンパ」と名付けました。ドロンパは、神経細胞などの研究で威力を発揮していますが、そのメカニズムは謎でした。
図 NMR装置内にあるサンプルにレーザー光を照射する装置 研究グループは、放射光科学総合研究センター、トロント大学らと協力して、X線結晶構造解析やNMR解析を駆使し、明と暗のドロンパの構造を解析し、タンパク質のフォトクロミズム特有のメカニズムを明らかにしました。明状態では、硬い構造で分子振動が制限され、吸収したエネルギーを蛍光で放出、暗状態ではやわらかい構造で、分子振動にエネルギーを使ってしまい、発光できなくなる、というメカニズムが働いていると結論しました。
 今回の成果をもとにドロンパを改良し、分子顕微鏡や使った生体記録システムなどの開発などが期待できるようになりました。 
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