第1次視覚野・聴覚野の神経応答が「注意」により増幅することを発見
- 物体を認知するために重要な「注意」の有無が脳反応に大きなひらき -
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視覚刺激に対する空間的注意に関する活動 「ガヤガヤ」、「ざわざわ」し続けるパーティー会場などでは、誰が何を喋っているかなかなか判別することはできません。ところが話したい人や場所に注意を向けると、騒音は無視したかのように消え、言葉がわかるようになります。誰もが経験したことがあるこの現象は、注意を向けると注意を向けた物や場所を処理している神経活動が増強するために起こると考えられています。すなわち、脳は、膨大な情報を処理するために、活動を偏重させ、選択処理を行う効率的な働きをしています。しかし、注意に従って最初の情報選択が脳のどこで行われているのかは実験的にわかっていませんでした。
 理研脳科学総合研究センター脳機能ダイナミックス研究チームは、視覚刺激、聴覚刺激に対する大脳皮質の最初の入力領域である第1次視覚野(V1)、第1次聴覚野(A1)での最初の神経応答が注意によって増幅されることを発見しました。実験では、画像で空間的注意を促し、例えば「左視野に注意」と指示をした後、左右どちらかの視野や耳に画像や音などの刺激を与えて、脳の視覚・聴覚野の活動状況を調べました。視覚野では、情報はV1、V2、V3、更に高次領野へと階層的に処理されています。一般的には、V1以降の高次視覚領野が注意による影響を受けるとされ、V1には高次領野からV1へのフィードバック結合によって伝わると考えられてきました。
 しかし、今回の研究で、V1とA1での最初の神経応答が注意喚起によって増強する実験結果を得ました。視覚野では、さらに、注意の影響がV2、V3へと順方向に広がって行くことも突き止めました。この結果は注意の神経機構のモデルを再検討させる新たな情報となりました。注意の神経機構について明らかにすることは意識や認知といった高次機能のメカニズムの解明などの役立つと期待されます。
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