3種類の自動結晶化ロボットを利用して
世界トップレベルの効率でタンパク質の立体構造を解析
- 進展する「高度好熱菌 丸ごと一匹 プロジェクト」 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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 通常なら死んでしまうほどの高温の極限環境にさらされても生育し続ける高度好熱菌は、タンパク質が丈夫で構造や機能を調べるのに都合がよく、さらに、全生物の共通祖先に近いため、原始生命の基本的特徴が凝縮されている、といわれています。この菌一匹に起こる生命現象を理解することは、ヒトを含め「生命とは何か」という根本を問い直すことになります。 1999年、理研はこの高度好熱菌の1つサーマス・サーモフィラスをモデル生物として選び、生体分子の構造と機能を解明して生命現象をシステム全体としてとらえることを目指す「高度好熱菌丸ごと一匹プロジェクト」をスタートさせました。
 サーマス・サーモフィラスは、静岡県伊豆半島の温泉「峰温泉」で発見された高度好熱菌で、遺伝数が大腸菌の約4,500と比べて約2,200と少なく、遺伝子を操作する技術が確立している、 という特徴を持っています。
 理研放射光科学総合研究センターの放射光システム生物学研究グループの倉光成紀グループディレクターら は、3種類の自動結晶化ロボットと世界最高の大型放射光施設SPring-8を使って、高効率でタンパク質の立体構造を解析する手法を確立、約470種のタンパク質の立体構造解析を完了させました。この結果、高度好熱菌サーマス・サーモフィラスは、世界で最も立体構造の解析が進んだ生物の1つになりました。
 「生命とは何か」という本質的な問いに対する大きな足がかりを得たことになり、がんやウイルスの脅威を拭い去る医療への応用も可能にする研究成果が出はじめています。

実験に使用した自動結晶化ロボット
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