物質の究極の姿とそれを支配する法則は?研究者が長年答えを追い求めている謎です。究極の物質である素粒子を理解することは、この謎の解明をもたらすと注目されています。
素粒子を理解するための最もホットな「超対称性」という考え方は、光子、ヒッグス粒子などのボーズ粒子と、電子やニュートリノ、クォークなどのフェルミ粒子を入れ替えても理論が変わらない、というものです。
ところが、自然界には重さの等しいボーズ粒子とフェルミ粒子のペアは存在しません。このため、自然界では、「対称性の自発的破れ」が生じ、超対称性がそのままでは成立しないと考えられています。しかし、従来、この超対称性の自発的破れの大きさを理論的に計算することは一般に不可能でした。
理研仁科加速器研究センター川合理論物理学研究室と岡山光量子科学研究所らの研究グループは、超対称性の自発的破れの指標である真空エネルギーを数値計算する手法を開発しました。さらに、この手法を使い、1次元空間の超対称性を4つ持った超対称ゲージ理論では超対称性の自発的破れが起きていない兆候を得ました。この成果は、コンピュータを使った数値シミュレーションで超対称ゲージ理論の研究が可能であることを実証したもので、素粒子の世界の新しい研究手法を提供したものとして注目されます。
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