シード光を入射する新方式で短波長自由電子レーザー光の発生に成功
- 単色性に優れた短波長FEL光源を世界で初めて実現 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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シード型FELの実験配置 CD・DVDや光ファイバーによる高速通信など、直進性に優れ、大量に情報を送る機能などを持ったレーザー光は、いまや私たちの快適な生活に欠かせません。レーザー光は波がそろった高品質な光で、これまでに様々な波長の光源が開発されてきましたが、X線領域のレーザーだけはいまだ実現されていません。レーザーの波長が短くなれば、エネルギーが大きくなり、機能が拡大して社会の利便性を革新すると期待されます。そのため、レーザーの短波長化を目標に掲げて、世界中の研究者が激しく競っています。
 理研は、この短波長化の究極とも言うべき人類未踏のX線自由電子レーザー(XFEL)の発振を実現するために、2010年の完成を目指して施設を整備しています。XFELは、従来のミラーを活用したレーザー発振法とまったく異なる手法で発振します。放射光という電子から放射させる光を、アンジュレータの中で電子ビームと1回だけ相互作用を起こし増幅する原理を使いますが、時間分布やスペクトルがスパイク状になることを克服することが課題となっていました。
 放射光科学総合研究センター北村X線超放射研究室らのグループは、ガス高次高調波を使って外部からきれいなコヒーレント光(シード光)を入射する方法でこの問題を解決し、単色性に優れた自由電子レーザー(FEL)を真空紫外領域で発振させることに成功しました。シード型FELの発振に成功した世界で初めてと例となりましたが、この手法はさらなる短波長化が可能で、創薬に欠かせない膜タンパク質の構造解析やナノテクノロジーの材料開発など多彩な分野の研究に革新をもたらす第一歩を踏みだすこととなりました。
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