プレスリリース 独立行政法人 理化学研究所
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理研・九大・北大・阪大が「分子情報生命科学」で連携
- 協力協定を締結し、4機関の特性を生かしたアライアンスを構築 -
平成20年2月29日
 独立行政法人理化学研究所(以下理研、野依良治理事長)の中央研究所(茅幸二所長)、国立大学法人九州大学(以下九大、梶山千里総長)の分子情報連携研究センター(山田淳センター長)、国立大学法人北海道大学(以下北大、佐伯浩総長)の分子情報連携研究センター(魚崎浩平センター長)および国立大学法人大阪大学(以下阪大、鷲田清一総長)の分子情報連携研究センター(柳田敏雄センター長)は、連携して「分子情報生命科学」に関する研究を推進するための協力協定を2008年2月29日、北大・札幌キャンパス(北海道札幌市)で締結しました。
 分子情報生命科学は、原子、分子を操ることを可能としたナノテクノロジーや生物の分子認識・情報伝達・エネルギー伝達などの現象を情報科学で結び、新しい物質の創成や新たな科学技術分野の創出を可能とします。この新たな科学技術分野には、生命機能を定量的な情報として抽出する研究(有用な生命情報の抽出と計測)、定量的な情報をもとに数理解析する研究、生命情報機能の伝達物質を設計し創成する研究(物質合成)、階層を越える物質機能を設計するための研究(自己組織化の時空間動力学)、生体ソフトナノマシンおよびデバイスの応用研究が欠かせません。このため、これらの研究が、濃密に連携をして新しい物質材料研究分野を切り拓くことが不可欠となります。
 4機関の連携は、独自に展開してきたこれらの研究をさらに特化させ、戦略的に推進し、わが国の4つのサブ拠点として、研究ネットワークを体系的に構築する原点となります。この分野の研究では、類似の考えで推進していく例がいくつかありますが、体系的に研究を展開したのは内外に例がなく初めてのケースとなります。


1. 本戦略協定締結へ至った経緯
 生物が生命を育むために獲得した機能を解明していく研究が、新たな科学技術を創出する波として大きな期待を集めています。生物の分子認識、情報伝達、エネルギー伝達、情報処理といった機能を解明して定量化し、その機能を応用していくことが新産業創生にもつながると、世界各国でさまざまな研究が加速化しています。文部科学省は、2005年から開始した委託事業「ナノテクノロジー・材料を中心とした融合振興分野研究開発」研究拠点形成型(バイオテクノロジー研究拠点の形成)に、「生命分子の集合原理に基づく分子情報の科学研究ネットワーク拠点」を採択することで、生命科学と物質科学を融合し、基盤となる情報科学をツールにして、新たな科学技術領域を世界に向けて発信する研究に取り組んできました。この研究課題は、情報科学を共通の概念とし、生命機能の根源である生物の分子認識、情報伝達、エネルギー伝達といった機能の定量的解明とその機構の応用を目標としています。そのためこの分野で研究の先鞭となっていた理研をはじめとする4機関が有機的に結合して、ネットワーク型拠点の構築をスタートさせました。
 これまでに理研では、生命機能の情報抽出と数理解析に関する研究を展開するとともに2005年に分子情報生命科学研究推進グループを設置し、4拠点連携のイニシアチブをとってきました。一方、九大は、生命情報伝達物質の創成に関する研究を推進するとともに2007年に分子情報連携研究センターを設置、北大は、自己組織化の時空間動力学に関する研究を推進するとともに2007年に分子情報連携研究センターを設置、阪大は、生体ソフトナノシステムの動作原理の解明とソフトナノデバイスの創成に関する研究を推進するとともに2005年に分子情報連携研究センターを設置するなど、お互いが有機的に結合する体制をそれぞれに整備してきました。そして、現在、新分野の創出を実現するため、これらの連携をさらに強力なものへと発展させることが期待されています。


2. 連携・協力の内容
 こうした期待に応え、融合研究を強化するために、分子情報生命科学に関する相補的・協力的な連携を組み、学術研究の進展、相互の研究交流、人材交流及び人材育成の推進を図ることにしました。理研を中核拠点と明確に位置づけつつ、九大、北大、阪大の連携研究センターを先端研究サブ拠点として機能を増強し、さらに、流動的ポスドクによる研究交流を加速させます(図)。
 連携によって理研は、物質科学研究を軸として、生命機能の根源である生物の分子認識、情報伝達、エネルギー伝達といった機能の解明と定量化、その機構の応用を目指した研究をさらに推進します。九大は、生命現象を模範とする、究極の情報機能を持つ単一物質(分子、高分子、ナノ構造体)を精微に設計・合成するとともに、それらの自律的あるいは外部摂動による組織化・集積化により、高度な情報伝達機能を持つ物質の創製を目指した研究をさらに強化していきます。北大は、生体界面分子構造の動的イメージング測定と理論的解析を通して、生命現象の基盤である自己組織化の時空間動力学を解明し、自己組織化過程の制御による新規物質階層構造の創成を目指します。阪大は、生体ソフトナノマシン・ナノシステムの動作原理の解明と自己組織化を利用したナノデバイスの創成を目指し効率的な研究を展開します。
 協定の有効期間は、2008年3月1日から2010年3月31日までです。(2008年2月29日、理研・茅幸二所長、長田義仁特任顧問、九大・山田淳センター長、北大・山口佳三理学研究院長、魚崎浩平センター長、阪大・柳田敏雄センター長出席のもと、調印式を実施しました。)
 ただし、文部科学省の委託事業終了(2010年3月31日)後においても、関係機関が連携し完成された拠点により、新たな分野の研究を推進していくことがさらなる目的と考えられるため、有効期間満了の6ヶ月前までに解除の申し出がない場合は、さらに5年間延長することにしています。


(問い合わせ先)

独立行政法人理化学研究所
 基礎基盤・フロンティア研究推進部
  基礎基盤研究推進課

Tel: 048-467-9258 / Fax: 048-462-4608
国立大学法人九州大学
 大学院工学研究院
  分子情報連携研究センター長 山田 淳

Tel: 092-802-2812 / Fax: 092-802-2815
国立大学法人北海道大学
 大学院理学研究院
  分子情報連携研究センター長 魚崎 浩平

Tel: 011-706-3812 / Fax: 011-706-3440
国立大学法人大阪大学
 大学院生命機能研究科
  分子情報連携研究センター長 柳田 敏雄

Tel: 06-6879-4632 / Fax: 06-6879-4634

(報道担当)

独立行政法人理化学研究所
 広報室 報道担当

Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
Mail: koho@riken.jp
国立大学法人九州大学
 総務部総務課 広報室

Tel: 092-642-2106 / Fax: 092-642-2113
国立大学法人北海道大学
 総務部広報課広報・渉外担当

Tel: 011-706-2610 / Fax: 011-706-4870
国立大学法人大阪大学
 総務部評価・広報課 広報係

Tel: 06-6879-7017 / Fax: 06-6879-7166


>> 拡大図
図 4機関のネットワーク


4機関が協力協定を締結


調印式の様子1


調印式の様子2

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