プレスリリース 独立行政法人中小企業基盤整備機構
埼玉県
和光市
独立行政法人 理化学研究所
「和光理研インキュベーションプラザ」を開所、新産業創出の拠点が始動
- 地域社会へ貢献、17企業が順次活動を開始 -
平成20年2月19日
 独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構、鈴木孝男理事長)、埼玉県(上田清司知事)、和光市(野木実市長)、独立行政法人理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、理研などの学術機関が保有する技術シーズ・知見を活用した産官連携を推進し、研究開発型ベンチャーの起業や中小企業などの新規事業展開を支援し、新産業創出の拠点となる「和光理研インキュベーションプラザ」の開所式を2月19日に行い、施設の本格稼動に入りました。
 同プラザは、4者が協力して、地元和光市や埼玉県内の活力ある企業・起業家などが、理研などの学術機関が創造した知的資産を活用する事業を、2006年から展開し、プラザ施設を1月9日に竣工しました。この開所によって、わが国唯一の総合研究所が生み出す知的資産の活用や、学術・研究開発型のベンチャーの起業、中小企業などの新事業展開を支援する新たな拠点が誕生し、新事業・新産業の創出の原動力が生まれたことになります。中小機構が推進する同種の「インキュベーションプラザ」は、すでに全国で29施設が完成し、4施設が整備中の状況です。本プラザで活動を展開する入居企業は、17社※1(内11社が理研発のベンチャー)におよび、インキュベーション・マネージャー4名が常駐し、入居企業の課題に応じた支援を開始しました。
 今後、さまざまなインキュベーションの支援ツールや情報を提供し、研究開発型企業やものづくり型企業の創業活動、新事業展開などを総合的にサポートしていきます。わが国の科学技術を支え、産業の発展に貢献し、COE(center of excellence:卓越した研究拠点)としての地位を築いてきた理研をはじめとする学術研究機関とベンチャー企業などとの連携が加速すると期待されます。


1. 背景
 独立行政法人中小企業基盤整備機構(2004年7月発足)では、発足以前から「新事業創出促進法」に基づき、地域振興整備公団の事業として都道府県、市町村からの事業要請を受け、インキュベーション施設の整備、賃貸および管理(新事業創出型事業施設整備事業)、新事業支援施設の整備を行う者に対する出資(新事業支援施設出資事業)を行ってきました。現在では「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」に基づき、これまで、全国で29施設を完成させ、4施設を整備中です。
 埼玉県、和光市は2006年3月に、新事業創出型事業施設をはじめとする新事業創出のための環境整備を推進することで、和光市周辺地域、埼玉県内はもとより、東京・千葉・神奈川などを視野に入れた広域的な新事業創出のための拠点形成を目的として「和光新事業創出型事業施設に係る事業」を中小機構に要請していました。
 理研は、培ってきた研究成果を社会に普及・還元していくために、2005年4月に知的財産戦略センターを設置し、産業界などとのスムーズな橋渡し戦略“バトンゾーン”を展開するとともに、企業が主体に具体的な研究目標を設定する「産業界との融合的連携研究プログラム」、優れた研究者を招聘し、企業などから受け入れる資金で研究室を運営する「特別研究室プログラム」、中・長期スパンで目標設定を行い、企業名を冠する「産業界との連携センター制度」を相次いで発足させてきました。このバトンゾーンをさらに強化するために、自治体などと連携したベンチャー・インキュベーション施設の運営などを計画していました。


2. 「和光理研インキュベーションプラザ」の開所について
 理研などが有する技術シーズ、知見を活用した学術機関発のベンチャー企業や中小企業などを支援することにより、新事業・新産業の創出を促進するとともに、地域社会へ貢献することを目的に整備されました。中小機構が整備した全国で29番目の施設であり、埼玉県では、「インキュベーション・オン・キャンパス本庄早稲田」に次ぐ2番目の施設となります。
(1) 中小機構は、施設に常駐するインキュベーション・マネージャーが中心となり、中小機構が実施している投資ファンドによるベンチャー企業への資金提供、ベンチャー事業支援などの専門家の派遣や、各種ベンチャー関連のフェア、事業化助成金などのベンチャー企業向けの各種支援メニューを通して、施設入居者や地域企業の事業活動を総合的にサポートしていきます。
(2) 埼玉県、和光市は、施設に常駐するインキュベーション・マネージャーを配置し、入居企業の支援を行うほか、入居企業への賃料補助制度や県市関連の支援機関などとの連携を通じて、施設入居者の事業活動の促進支援を行っていきます。
(3) 理研は、知的財産戦略センター(齋藤茂和センター長)を中心に、理研の研究とその成果を産業界、社会に役立てることを責務に掲げ、企業と一体となって研究開発を推進する場である“バトンゾーン”を設けてきました。このミッションを達成するために、理研の隣接地に新たなバトンゾーンの場を求め、この場を開発拠点とする中小企業、ベンチャー企業などに対してさまざまな支援措置を行っていきます。具体的には、理研の基礎科学全般にわたる研究資源を有効に活用するために、中小企業などが抱えている製品開発過程における問題解決に、知的財産戦略センターを窓口として技術相談に応じていきます。さらに、人的交流、設備の共用を促進し、より密接な関係を維持しながら共同研究をはじめ、理研の産学連携プログラムへの参加を迅速に行います。また、同プラザの入居企業は、理研内の交流施設を理研職員と同等に利用することを可能とし、理研構内への入構カードの発行により、図書館の利用、理研開催のシンポジウム、セミナーなどのイベントへの参加機会が得られます。


3. 「和光理研インキュベーションプラザ」詳細について
(1) 所在地
埼玉県和光市南2丁目3番13号
(2) 施設概要
RC造4階建
敷地面積約3,700m2
建築面積約 870m2
延床面積約2,670m2(うち賃貸面積 約1,820m2
居室面積全てウェットラボタイプ※2(全36室)
最小23.8m2 〜 最大93.98m2
(3) 経 緯
2006年 3月31日 事業要請(埼玉県・和光市)
「和光新事業創出型事業施設に係る事業要請について」
2006年11月30日 事業要請(独立行政法人理化学研究所)
「和光新事業創出型事業施設に係る事業要請について」
2006年11月30日 事業採択(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
2007年 3月 建築工事着工
2007年 4月 準備室開設(理化学研究所内)
2007年10月10日 入居者公募告知
2007年10月19〜31日 入居者公募
2007年11月28日 入居者決定(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
2008年 1月 9日 竣工(施設オープン)、IM室設置
2008年 2月 入居開始
(4) 事業目的
理化学研究所を含む学術機関等が有する技術シーズ、知見を活用した学術機関発ベンチャーの起業及び中小企業等の新事業展開を支援することにより、新事業・新産業の創出を促進するとともに、地域社会へ貢献する。
(5) 入居対象
新たな事業展開を図る個人事業者、ベンチャー企業、中小企業等
理化学研究所を含む学術機関等(以下理研等)又は自らの研究成果や技術を基に起業する(計画している)研究者、個人
理研等が有するシーズ等を活用し、新技術の開発及び事業化を目指そうとする企業等
(6) 賃料など
月額賃料
3,800円/m2(税別)
敷金
月額賃料の3ヶ月分
賃料補助
埼玉県および和光市の賃料補助制度※3があります。
(7) 運営体制
運営委員会 埼玉県、和光市、理化学研究所、中小企業基盤整備機構
常駐スタッフ 5名
中小企業基盤整備機構2名(内 事務スタッフ1名)
埼玉県2名
和光市1名
施設管理等 中小企業基盤整備機構 関東支部 支援拠点サポート課


4. 各社概要
(1) 独立行政法人中小企業基盤整備機構
 独立行政法人中小企業基盤整備機構は、「創業・新事業展開の促進」「経営基盤の強化」「経営環境変化への対応」「産業用地の提供」を主な事業内容とし、中小企業者その他の事業者の事業活動に必要な助言、研修、資金の貸付け、出資、助成及び債務の保証、地域における施設の整備、共済制度の運営等の事業を行い、もって中小企業者その他の事業者の事業活動の活性化のための基盤の整備を行います。
(2) 独立行政法人理化学研究所
 独立行政法人理化学研究所は、科学技術(人文科学のみに係るものを除く)に関する試験および研究などの業務を総合的に行うことにより、科学技術の水準の向上を図ることを目的とし、日本で唯一の自然科学の総合研究所として物理学、工学、化学、生物学、医科学などにおよぶ広い分野で研究を進めています。研究成果を社会に普及させるため、大学や企業との連携による共同研究、受託研究等を実施しているほか、知的財産権の産業界への技術移転を積極的に進めています。


(問い合わせ先)

独立行政法人中小企業基盤整備機構
 関東支部 支援拠点サポート課 元木、佐本

Tel: 03-3433-8571 / Fax: 03-5470-1045
独立行政法人理化学研究所
 知的財産戦略センター 知的財産戦略グループ
  日塔(にっとう)、生越(おごし)

Tel: 048-462-5459 / Fax: 048-462-4718

(報道担当)

独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当

Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
Mail: koho@riken.jp


<補足説明>
※1 和光理研インキュベーションプラザ入居企業の17社
入居決定者名 施設内で行う主な事業内容
< ナノ分野 >
ワイコフ科学(株) 1カスタムメード・ナノ粒子計測装置の開発・設計・試験
2航空機搭載用等小型設備開発
(株)フューエンス 1ナノレベル微小構造体製造(ESD)装置の開発・試作・販売
2マイクロ流体チップの開発・製造・販売
FLOX(株) 理研開発のフラーレン誘導体製造法による新機能ナノカーボン材料の開発・製造
(株)ナノメンブレン 中温作動用固体酸型燃料電池部材の開発
< 精密加工分野 >
新世代加工システム(株) 1新世代加工システム
2精密卓上加工機および機上測定機の開発・実用化
(有)アリューズ 高機能脆性材料の同時5軸超音波加工の受託
(株)ジェイネット 機上原点測定器「ジェイコア」の設計・製作及び周辺技術の確立
< 光・中性子・電子応用分野 >
(株)メガオプト 次世代高性能固体レーザー、ファイバーレーザーの製造・販売
(株)スープラディスプレイ 非接触光書込み・光消去リライトシステムの開発
リンクサーキット(株) 1プリント基板の設計・製作
2電子機器開発
(株)日本中性子光学 中性子光学機器のコンサルティング及び製造請負
< ITソフト(ものづくり支援)分野 >
(株)トライアルパーク 理研開発「ものづくりトライアル・パーク」技術の事業化
(株)先端力学シミュレーション研究所 ものづくり技能蓄積型ナレッジマネジメントシステム商品の研究・開発・販売
< 医薬・医療機器等分野 >
(株)カイオム・バイオ・サイエンス  トリ免疫細胞を用いたモノクローナル抗体作製(ADLib)システムによる抗体医薬の研究開発事業
(株)セルリムーバー 1脱細胞処理による再生医療材の開発、2脱細胞化装置の販売、3ディスポーザル医療器具・部材の販売
(株)ERCテクノロジー 1新規抗菌性界面活性剤(石鹸、洗剤等)の開発・商品化
2表面処理装置の開発・製品化
< 環境(省エネ)分野野 >
エスコウィンズ(株) 1動力設備省エネシステムのコンサル・導入
2同関連電子機器開発・販売
※2 ウェットラボタイプ
耐薬品性の長尺ビニルシートによる床仕上げ、給配水管引込、単相・三相の電気設備等を完備。研究開発のラボとしても活用いただけるインキュベーション施設。
※3 賃料補助概要
入居者 上段:埼玉県補助額
下段:和光市補助額
中小企業
1資本金額又は出資総額が3億円以下の会社
または
2常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
小規模企業者
・常時使用する従業員の数が20人以下
創業後10年未満 1,125円/m2/月
 750円/
m2/月
創業後10年以上 750円/m2/月
 500円/
m2/月
小規模企業者以外
・常時使用する従業員の数 が21人以上
375円/m2/月
250円/
m2/月
大企業出資会社
・大企業が1/2以上、株式を保有、または出資している企業
賃料補助なし
大企業
1資本金額又は出資総額が3億円を超え、
2常時使用する従業員の数が300人を超える会社


上田清司埼玉県知事


記者会見の様子


和光理研インキュベーションプラザ外観

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