DNA複製や細胞分裂の様子をリアルタイムで観察する新技術
- 生物発生のメカニズム解明やがんの診療・治療薬開発に新たな道 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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Fucci―トランスジェニックマウスの脳原基におけるタイムラプスイメージング 細胞は、細胞分裂を繰り返して増殖します。発生や再生の過程では、分裂と分化との制御が見事に絡み合って組織、器官、個体を形作り、機能を獲得していきます。生命を維持するために、この細胞分裂は繰り返されていきます。この整然とした細胞分裂は、世代を越えて、ひたすら普遍的に継続されてきた生命現象の源とも言えます。
 細胞分裂の周期は、細胞周期と呼ばれます。例えば細胞周期の制御に異常をきたし、無制限に分裂を繰り返すような状態が「がん」です。これまで、発生・再生時の細胞活動の様子や、がんの浸潤・転移など、さまざまな生命現象の根本である細胞周期の実態を生きたままリアルタイムで観察する方法がありませんでした。
 理研脳科学総合研究センター細胞機能探索技術開発チームは、科学技術振興機構、東京都臨床医学総合研究所、癌研究会癌研究所らと共同で、生物個体内で進行する細胞周期をリアルタイムで可視化する蛍光イメージング技術の開発に世界で初めて成功しました。赤と緑の2色の蛍光タンパク質を、細胞周期の特定の時期に存在する2種類のタンパク質に結合させ、細胞周期の進行における休止期(G1期)と、DNA複製の時期とを、区別して蛍光させる(ラベルする)ことを実現しました。この技術を利用し、マウスに移植したがんの浸潤・転移や神経細胞の分化、移動の様子を観察することにも成功し、生物発生の形態形成、がん化などのメカニズムに関して新たな知見がもたらされることが期待されます 。
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