次世代合成ゴムを提供する超高性能ガドリニウムメタロセン錯体触媒を開発
- ゴムの耐久性が向上し、タイヤの軽量化・低燃費化などの応用に期待 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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“低燃費・環境にやさしいタイヤ”の研究概念と、実用タイヤを可能にする新規ガドリウムメタロセン錯体触媒 タイヤは、人々の大切な命をはじめ、さまざまな物資を確実に、時には高速で運びます。安全・安心を常に求められて仕事をこなしてきたこのタイヤには、昨今、地球資源を大切にした機能を備えることがさらに望まれています。
 以前のタイヤの原料は、天然ゴムに限られていましたが、今では、不純物が少なく、分子がそろっていて、反発弾性、低温柔軟性、屈折疲労や耐久性などを発揮する“合成ゴムの時代”に突入しています。その代表例は、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエン(BR)ですが、特にBRは、構造を「シス型」にするとゴムの耐久性が大幅に向上することが明らかとなっており、実験室レベルにとどまらない、工業的製造法の開発が注目されています。
 理研のエラストマー精密重合研究チームは、株式会社ブリヂストン、JSR株式会社と共同で、70℃という高温条件下でも、このシス型のBRが99%と高確率で重合する、新規ガドリニウムメタロセン錯体触媒を開発すると共に、重合した超高シス型のBRが、期待通りのゴム物性を示すことを確かめました。これは、理研の会田昭二郎副チームリーダーが、2003年3月に開発した錯体触媒を、改良したものです。熱に強く、触媒活性能力を高め、機能アップを図ったもので、具体的には、触媒の活性中心となるガドリウム原子に、フェニル環を結合させたインデニル環の化合物を結合させて、構造を頑強にし、その反応場を狭めました。その結果、ガドリウム原子1個に対してブタジエン分子100万個の反応が可能という、非常に優れた威力を発揮することができました。
 2008年には、タイヤ性能の実地テストを行う計画となっており、低燃費で環境にやさしいタイヤが登場することが期待できそうです。
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