ヒトの全身には血液が流れています。その血液のうち、多くの割合を占める成分が赤血球で、赤い色素をもつ赤血球は、肺から受け取った酸素を全身に運搬する役割を担っています。
ケガでの失血や、血液の病気を救うためには献血で得られる血液をもとに、輸血、血液製剤によって多くの人命を救っています。しかし近年は、規制や少子高年齢化に伴う献血者の減少に加え、血液検査の不備や技術不足のため、肝炎やHIV等、感染症の原因となった歴史もあり、安全に利用することができる血液を大量に作る技術の開発が急望される状況になっています。
理研バイオリソースセンターの細胞材料開発室は、独自に開発した培養技術を使って、マウスのES細胞から赤血球前駆細胞株を世界で初めて樹立し、この細胞が作り出す赤血球が、マウスの急性貧血の治療に有効であることを確認しました。
この結果から、ヒトES細胞やヒトiPS細胞などの万能細胞からも、同様にヒト赤血球前駆細胞株を樹立する道を見出したことになります。将来、血液不足を安全、かつ効率的に解消できるようになることでしょう。
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