| ※1 |
サイトカイニン |
| 植物ホルモンの1種。細胞分裂の促進、細胞周期の調節、老化阻害、腋芽の活性化など多様な生理活性を持つ。アデニンの6位の窒素原子に炭素5つのプレニル基を持つ構造が基本骨格(図1)であり、側鎖構造の違いによりトランスゼアチン(tZ)、イソペンテニルアデニン(iP)などが知られている。中でもtZの生理活性が最も強い。植物の他にアグロバクテリウムなどの一部の土壌細菌、キイロタマホコリカビなどの粘菌が、合成する能力を持つことが知られている。 |
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| ※2 |
頂芽優勢(ちょうがゆうせい) |
| 主茎の先端の芽(頂芽)が活発に成長をしている時、下方にある側芽(腋芽)の成長が抑制される現象。頂芽を切除すると腋芽は成長抑制が解かれて成長を始める。これは頂芽で合成されたオーキシンが下方に移動し、茎の部分のサイトカイニン合成を抑制することで腋芽の成長をコントロールしているからと考えられている。実際に、サイトカイニンを腋芽に与えると頂芽を切除しなくても腋芽の成長がみられる。腋芽の1つが成長して新しい頂芽になると、そこで生産されるオーキシンによって再び腋芽の成長は抑制される。 |
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| ※3 |
根頭がん腫病 |
| 土壌細菌Agrobacterium tumefaciensの感染によって起こる植物の病気。根の付け根あたりにクラウンゴールと呼ばれる「こぶ」を形成する。この細菌が持つTi-プラスミド上のT-DNA領域は、植物細胞の核ゲノム中に組み込まれる性質がある。T-DNA領域には、細胞分裂の制御に関わる植物ホルモン(サイトカイニンとオーキシン)の合成酵素遺伝子がコードされており、これらが過剰に作り出すホルモンにより正常な細胞分裂制御が行えなくなり、植物細胞はクラウンゴールをつくる。 |
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| ※4 |
P-ループ |
| [Ala or Gly]-X(4)-Gly-Lys-[Ser or Thr]の8つのアミノ酸によって構成される配列モチーフ。通常はATP/GTP結合モチーフとして知られるが、IPTではDMAPPという基質の結合に関わることが明らかになった。 |
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| ※5 |
P-ループ含有ヌクレオシド3リン酸加水分解酵素(pNTPase)ファミリー |
| P-ループ部分でヌクレオシド3リン酸を結合し、リン酸エステル結合を加水分解する酵素の総称。抗生物質のクロラムフェニコールの不活性化に関わる、クロラムフェニコールリン酸基転移酵素などがある。なお、ここでいうファミリーとは、類似の構造と反応機構を持つタンパク質群のことをさす。 |
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| ※6 |
基質と基質特異性 |
| 酵素の作用を受けて反応を起こす物質を、その酵素の基質という。酵素が反応する基質は決まっており、他の基質では反応が進まない。このように、酵素がある特定の基質を選んで反応する性質を基質特異性という。 |
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| ※7 |
サイトカイニンの生合成経路(図2) |
| 植物のサイトカイニン合成の初発反応は、アデニンヌクレオチド(特にADP、ATPを好む)とDMAPPの縮合反応により、iPヌクレオチド(iPRTP/iPRDP)が生産される。その後、P450酵素(CYP735A)の働きによりプレニル側鎖末端が水酸化され、tZヌクレオチド(tZRMP)に変換される。ヌクレオチドはLOGと呼ばれる酵素により、活性をもつサイトカイニン分子になる。アグロバクテリウムなどの土壌細菌のサイトカイニン合成の初発反応は、アデニンヌクレオチド(AMPのみを利用する)とHMBDPもしくはDMAPPの縮合反応により、tZヌクレオチド(tZRMP)もしくはiPヌクレオチド(iPRMP)が生産される。実際の宿主色素体内ではHMBDPを優先的に利用している。 |
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| ※8 |
基質アナログ |
| 基質に化学構造がよく似た物質のこと。酵素と基質の反応部位を調べるために構造解析を行う際、酵素に基質として認識され結合するが反応が進まない基質アナログを使うことで、酵素が基質を取り込んだ状態の構造を解析することができる。 |
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| ※9 |
SN2型の求核置換反応 |
| 求核試薬が3級の炭素に対して脱離基の背面から攻撃し、中心の炭素が求核剤、脱離基と同軸方向にある三方両錘型の遷移状態を経て、脱離基が抜ける求核置換反応。 |
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| ※10 |
プレニル供与体 |
| 酵素の反応過程において、基質分子中のプレニル基(C5H8の二重結合を持つ炭化水素基)をもう一方の受け手側の基質に与える役割をするもの。 |