哺乳類の受精卵の発生には卵子由来の核小体が重要
- 注目されていなかった卵母細胞の核小体の機能が世界で初めて明らかに -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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 受精の際、卵子は母方の遺伝情報を、精子は父方の遺伝情報を受精卵に持ち込みます。それ以外に、卵子はミトコンドリア、タンパク質などを、精子は中心小体を持ち込み、卵子と精子が相補的に貢献することによって、受精卵が構築されます。卵子のもととなる卵母細胞には、卵母細胞特有の大きな核の内部に明瞭に識別できる核小体が存在します。ところが、この核小体は、体細胞の核小体と異なり、構成成分が不明の上、核内で何をしているのかも謎のままでした。
 理研発生・再生科学総合研究センター哺乳類生殖細胞研究チームは、国立大学法人神戸大学、チェコ国立畜産研究所との共同研究で、受精卵の核小体が卵母細胞からのみ供給され、この卵母細胞由来の核小体が、全能性を持つ受精卵の構築や初期胚の発生になくてはならない重要な機能を発揮することを世界で初めて発見しました。受精卵構築時に卵子、精子のそれぞれからのみもたらされる細胞小器官は、1974年にミトコンドリア(卵子由来)、1976年に中心小体(精子由来)が見つかっていました。今回の受精卵中の核小体が卵子のみに由来するという発見は、 30年ぶり3番目の発見となり、歴史的にも価値があります。また、卵母細胞の核小体が体細胞の核小体では代替できないことも明らかとなり、卵母細胞の核小体が特別な機能を持つことが裏付けられました。
 この成果は、核小体の重要な機能を証明しただけでなく、基礎科学における非常に大きな命題である全能性機序の解明に向けての一歩となりました。
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