川崎病の発症と重症化に遺伝子「ITPKC」が関与することを発見
- 川崎病発見から40年で初めて、病態解明に弾み -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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細胞内でのITPKCの発現とインターロイキン2の発現量。過剰だとインターロイキン2の発現が低下し(a)、低下させると逆に増加する(b) 乳幼児が、5日以上も続く原因不明の発熱や発疹、目の充血、首などのリンパ節の腫れ、口唇が赤く腫れる、手足が硬く腫れる という症状に見舞われると「急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」、いわゆる「川崎病」と診断されます。
 やがてこれらの症状は見られなくなりますが、血管に炎症を起こしており、心臓の冠動脈に冠動脈瘤をつくるなどの後遺症を残し、重症の場合は心筋梗塞を起こして突然死に至ります。
 川崎病は、日赤医療センター小児科医の川崎富作博士が1967年に見つけた病気です。治療にはガンマグロブリンを大量に静注する療法が用いられ、合併症の発症率は5%以下に抑えられるようになりましたが、いまだに病因が不明で、全世界の乳幼児を襲い続けています。
 理研遺伝子多型研究センター消化器系疾患関連遺伝子研究チームは、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校と共同で、この川崎病に関与する遺伝子「ITPKC」を発見しました。ITPKC遺伝子のひとつのSNP (一塩基多型)が、日米の人種差を越えて川崎病になりやすい体質に関連していました。また、発見した川崎病の遺伝子のSNPが、ガンマグロブリン大量静注療法の効きやすさや合併症の発症にも強く関係していることもわかりました。川崎病が発見されてから40年目にして、初めてこの病気に関与する遺伝子が見つかり、病態解明が大きく前進し、個の医療の道を拓くことが期待できます。
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