「アレこの道だったかな?」、「正解は左だったかな?右だったかな?」・・・。私たちは日常生活の中で「迷い」、ゲームやテストなどの正解に「迷い」ます。そして「迷った」経験は次の行動に活かされ、「迷い」が減ります。この「迷った」経験を活かして、次の行動での「迷い」を減らす仕組みは脳のどこでどのように行われているのでしょうか?
脳内の働きを見ることができる機能的磁気共鳴画像法(fMRI)が登場し、米国の研究者を中心に脳の前頭連合野の内側にある前帯溝皮質という領域が「迷い」にかかわっているとされていました。ところが、この前帯溝皮質が壊れた人が「迷った」経験を次の行動に活かすことができなくなってしまうことはなく、認知神経科学の分野の大きな謎となっていました。
理研脳科学総合研究センターの認知機能表現研究チームは、英国オックスフォード大学と共同で、サルに「迷い」を持つような課題を訓練し、 「迷い」の経験を次の応答に活かすためには、前帯状溝皮質ではなく、前頭連合野の背外側部が重要であることを発見しました。しかも、迷ったことを伝える働きをする神経細胞と、迷わなかったことを伝える神経細胞がほぼ同数存在することも突き止めました。前頭連合野外側部がこれまで考えられて以上に広い範囲の働きをすることを示し、迷いを判断するロボットの開発などに新たな手がかりを与えることになりました。
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