椎間板ヘルニアの新たな原因遺伝子「COL11A1
- 腰痛、坐骨神経痛の病因解明に向けての新たな一歩 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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11型コラーゲンの免疫染色像。変性を起こした椎間板では、11型コラーゲンタンパクが減少している。 80%の人が生涯に一度は経験するといわれる腰痛。その大きな原因のひとつが、腰椎椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアは、椎間板の変性によって発症し、腰痛や坐骨神経痛のみならず、尿閉や便失禁など重篤な症状を引き起こします。発症には遺伝的な要因が関与するとされ、いくつかの遺伝子が報告されていますが、その作用機序はよくわかっていませんでした。
 理研遺伝子多型研究センターの変形性関節症関連遺伝子研究チームは、慶応大医学部整形外科ら臨床研究分野の研究者と協力し、腰椎椎間板ヘルニアの原因遺伝子のひとつが11型コラーゲンを構成する遺伝子「COL11A1」のたった1つの塩基の違いであることを突き止めました。この遺伝子は椎間板に特異的に発現することや、11型コラーゲンの異常が脊椎の変性を引き起こすことが知られていました。研究グループは、 日本人の椎間板ヘルニアの患者と疾患にかかっていない人の間の「COL11A1」の多型を統計的に調べ、COL11A1遺伝子の中のある多型が椎間板ヘルニアと強い相関関係があることを見つけました。腰椎椎間板ヘルニアになり易いタイプの多型を持つ人は、正常に比べて約1.4倍も椎間板ヘルニアになり易いことが明らかとなりました。今回の成果により、椎間板がヘルニアにならないように11型コラーゲンが保護している分子メカニズムが明らかとなり、画期的な治療法が飛躍することが期待できます。
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