宇宙を満たす暗黒エネルギーの存在にさらなる証拠
- 23,000個のクエーサーを対象にした過去最大の重力レンズ探索で検証 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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重力レンズクエーサーの例(ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した画像、NASA/ESA/大栗真宗 提供) 星屑にあふれる夜空を見上げ、時には天体望遠鏡で星を観察しながら、私たちは宇宙の広がりや未知に思いをはせます。宇宙は、ビックバンと呼ぶ大爆発で誕生したとされています。1929年、米国の天文学者のエドウィン・ハッブルが、銀河の観測からこの宇宙が膨張し続けていることを明らかにしました。それから約80年が経過し、現在では、宇宙はその中で均一に満ちている「暗黒エネルギー」により、加速的に膨張していると考えられています。しかし、この暗黒エネルギーは直接的には検出されておらず、その正体が謎のままとなっています。
 暗黒エネルギーの存在量や性質を知るために、 「重力レンズ」と呼ぶ現象を観測する方法があります。遠方の天体(クエーサー)は宇宙膨張の影響を大きく受けるために実距離が増し、手前にある天体(銀河)と重なる確率が大きくなります。重なり方によっては、銀河の重力によって光の経路が曲げられ、複数個に分裂して観測される、という現象が起きます。これが重力レンズ現象です。
重力レンズ効果を用いた暗黒エネルギー検証の概念図 理研中央研究所牧島宇宙放射線研究室の稲田直久基礎科学特別研究員、米国スタンフォード大学の大栗真宗研究員を中心とする国際共同研究グループは、重力レンズ現象を過去最大の規模で系統的に観測し、この宇宙が暗黒エネルギーという未知のエネルギーで満ちている証拠を新たに獲得しました。過去最大の23,000個という数のクエーサーの中から、重力レンズの影響を受けているクエーサーを探索し、それを11個を見出しました。この確率から暗黒エネルギーが宇宙の質量の70%を占めていることが確認でき、暗黒エネルギーの正体解明に、さらなる一歩を踏み出すこととなりました。
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