2組のタンパク質のペアが脳の神経回路を“区画化”していることを発見
- 複雑な脳における情報伝達経路を整理するシンプルな仕組み -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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2組のタンパク質のペアによって情報の出所を認識「ネトリンG1とNGL-1」「ネトリンG2とNGL-2] 脳は、膨大な情報を効率良く処理するコンピュータに例えられますが、高速を誇るスーパーコンピュータでさえも負けてしまう高度な情報処理機能を持っています。私たちの脳は、耳や目など外界から入ってくる情報と、思考など脳の中で巡らされる情報を混乱させることなくうまく処理しています。この高精度な情報処理の能力は、神経細胞同士が適切に組み合い、神経回路が構築されていくことで生み出されます。
 理研脳科学総合研究センターの行動遺伝学技術開発チームは、脳の内外から入ってくる情報の種類に応じて、情報伝達経路を整理する分子メカニズムを発見しました。
 つまり、情報の送り手側である神経細胞の「軸索」には、伝達する情報の種類ごとにタグ(荷札)のような2種類の特定のタンパク質が発現しており、一方、受け手側の神経細胞の「樹状突起」にはこれらのタグを認識する2種類の受容体タンパク質が発現し、神経細胞の中で情報を受け取る領域(区画)の性質を決定していたのです。
 今回の発見は、脳が複数の異なる情報を適切に処理する際、2組のタンパク質のペアによって情報の伝達経路を識別している、という意外にシンプルな仕組みが働いていることを示しました。今回の知見を生かし、神経細胞が複数の情報を的確に処理し、統合する機構の解明につながるとともに、その破綻によってもたらされる神経疾患の病理の解明にも役立つと期待されます。
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