根毛をつくる遺伝子は、根毛をなくす遺伝子が進化したものと判明
- シロイヌナズナの根毛形成を制御するメカニズムを世界で初めて進化的に検証 -
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根毛をなくすWERから根毛をつくるCPCへの進化 イネやムギ、ナスやキュウリなどの作物をはじめとする植物は、太陽のめぐみを受け、土壌からミネラルなどの栄養分や水分をとりながら育ちます。土壌から養分を吸収するために、植物の根には根毛がつくられます。この根毛は、根の表皮細胞が外側に伸びた器官で、モデル植物の代表選手、シロイヌナズナでは、断面で見たとき8個の根毛細胞から規則的に並んでいます。ところが、植物の生命に重要な役割を果たしているこの根毛が、どのようなメカニズムによって形成されるのか、詳細はナゾのままでした。
 理研植物科学研究センター機能開発研究グループ機能発現研究チームは、シロイヌナズナを使って、根毛をつくる遺伝子は、根毛をなくす遺伝子が進化してつくられたことを明らかにしました。根毛の形成に関与している遺伝子には、根毛をつくる遺伝子と根毛をなくす遺伝子の2種類があることがすでに知られていました。両方の遺伝子は、いずれも約50残基のアミノ酸配列「Myb(ミブ)」という領域を持っています。研究チームは、このMyb領域を入れ替えた12種類のキメラ遺伝子を作成して、それぞれの遺伝子とキメラタンパク質の働きを比べました。その結果、根毛を作る遺伝子は根毛をなくす遺伝子のMybで代用できることや、根毛をつくるタンパク質は根毛をなくすタンパク質の一部が欠損していること、それによって根毛をなくす細胞をつくる遺伝子のスイッチを押すことができないこと、などが判明しました。これらの遺伝子を制御できれば、環境に応じた根毛を作る植物の開発や、アントシアニンなどの有用物質の生産向上が可能になります。
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