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| マイクロRNAによって翻訳が抑制される仕組み |
生命は、遺伝子の設計図をもとにつくられるタンパク質によって、営まれています。タンパク質合成は、まず、DNA情報がいったんmRNAに転写され、次に、mRNAがタンパク質の合成工場である「リボソーム」と会合し、リボソームがmRNAの情報に従ってアミノ酸をつないでいく(「翻訳」と呼びます)、というものです。これは、すべての生物の基本の仕組みです。
近年、わずか20数個の塩基が連なった「マイクロRNA」が「タンパク質合成」を調節することがわかってきました。マイクロRNAは、特定のmRNAに作用して、mRNAの翻訳を抑制します。マイクロRNAは、がんの発症や記憶の形成など、極めて広範囲の高次生命現象に関わることが明らかになりつつあります。しかしながら、マイクロRNAによる翻訳抑制機構はナゾのままでした。
理研ゲノム科学総合研究センタータンパク質基盤研究グループは、マイクロRNAが翻訳を抑制する過程を試験管内で再現することに成功し、タンパク質合成阻害の仕組みを解明しました。マイクロRNA
は、標的mRNAの尻尾「ポリAテール」を短くして、翻訳の開始を阻害することがわかりました。わが国が推進した「タンパク3000プロジェクト」の一環として取り組んだもので、がんや神経の形成などの解明にも大きく貢献する成果と期待されます。
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