プレスリリース 独立行政法人 理化学研究所
RIKEN Fellow を創設、利根川 進教授に授与
平成19年7月6日
 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、「RIKEN Fellow(リケン フェロー)」制度を創設し、研究所の発展に資する世界的に傑出した実績及び見識を有する科学者に対して敬意を表し称号を授与します。本制度は、称号授与対象者が研究所の運営について意見を述べるとともに、その高い見識に基づき研究所の活性化に資する助言を行い、理研の発展に貢献することを目的としています。称号授与対象者は、理研の内部・外部を問わず自然科学分野における卓越した科学者を対象としています。
 平成19年7月6日に理化学研究所大河内記念ホール(埼玉県和光市)で、第1回RIKEN Fellow授与式を開催し、1987年ノーベル生理学・医学賞を受賞しましたマサチューセッツ工科大学の利根川進教授(ハワード・ヒューズ・メディカル・インスティテュート研究員※1)に称号(第1号)を贈呈します。


1. 背 景
 これまで理化学研究所では、特殊法人時代の平成6年度より、海外の傑出した研究者を招聘し、研究所の活性化を図るとともに国際性の向上を目的とするエミネントサイエンティスト制度を創設し、世界のトップを目指した研究環境の整備を展開してきました。同制度では、発足以来4名のノーベル賞受賞者※2を含む119名の著名な自然科学研究者を招聘し、共同研究などを実施して、研究所の国際化や研究力の向上で大きな実績をあげてきました。
 こうした研究の活性化に加え、平成15年10月には独立行政法人化を契機として、運営に関する5つの基本方針に「野依イニシアチブ※3」を目標に掲げ、研究所の目指すべき方向を明確にしてきました。掲げた具体的な目標は、国内外を問わず外部の様々な分野の方々に理研の活動を知ってもらうことを目的とした「見える理研」、質の高い研究を実施するために「研究者がやる気を出せる理研」や「文化に貢献する理研」などで、研究所の活性化の牽引力としています。平成17年11月には、エミネントサイエンティスト制度を発展的に改正し、RIKEN Honorary Fellow 制度※4を創設し、科学と社会の関わりや国際性への意識の向上に貢献することを目指しました。
 さらに、平成18年6月に実施した理研の外部評価委員会RIKEN Advisory Council(RAC)※5で、研究水準と特色ある運営についても高い評価を得るとともに、更なる研究系人材の充実や、世界に向けて理研の認知度の強化を目指し、「世界的なシニア・サイエンティストの採用」、「強力な“理研ブランド”を構築すること」を推進するよう提言され、具体策の検討をはじめました。
 こうした中で、理研が国際科学コミュニティーでの自らの役割・認知度の向上を図るための具体策の一つとして、世界的に優れたシニア・サイエンティストや新分野の開拓に挑み第一線級の活躍をする若い研究者に対して敬意の念を表しRIKEN Fellowの称号を授与することは、強力なメッセージとなり科学界の注目を集めるだけでなく、理研のブランドと競争力を高めることになると考えました。理研の伝統と革新を担い、理研ブランドの創出にかけがえのない卓越した科学者に敬意の念を表するため、RIKEN Honorary Fellow制度に加えて、RIKEN Fellow制度を創設しました。


2. RIKEN Fellow制度の特色
 RIKEN Fellowは、世界的に傑出した実績と見識を有し、理研ブランドの創出にかけがえのない科学者に対して、研究所として敬意を表する称号です。同制度の実施にあたり、以下の条件を設定しました。
  • 候補者は理研の内部・外部を問わず科学者に限定する。
  • RIKEN Fellowは、必要に応じて、理事長や理事との懇談会に出席し、研究所運営に関して助言を与える。必要に応じて、研究プライオリティー会議※6に出席し、その高い見識に基づき研究所の活性化に資する助言を行う。


3. 利根川教授の選考理由
 利根川進教授は、1980年代後半より脳科学研究に取組み、1998年10月、RIKEN-MIT脳科学研究センターのセンター長に就任以来、理研の脳科学研究に尽力しています。1987年のノーベル生理学・医学賞の受賞理由となった「多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明」に代表される分子生物学および免疫学をバックグラウンドに、新たに脳科学・神経科学へと研究領域を広げ、「空間的、時間的遺伝子操作技術を用いた記憶・学習メカニズムの解明」など優れた研究成果をあげています。絶え間なく挑戦を続ける研究者としての姿勢と、これらの傑出した業績と見識は、理研研究者を大いに啓発し、長期にわたって理研の発展に多大な貢献をもたらすものと判断し、第1回RIKEN Fellow授与対象者とすることに決定しました。


4. 第1回RIKEN Fellow授与式の開催について
別添スケジュールのとおり。


< 報道担当・問い合わせ先 >
(問い合わせ先)

独立行政法人理化学研究所
 人事部人事企画課

Tel: 048-467-8179 / Fax: 048-462-4717

(報道担当)

独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当

Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
Mail: koho@riken.jp


<補足説明>
※1 ハワード・ヒューズ・メディカル・インスティテュート研究員
Howard Hughes Medical Institute Investigator(HHMI Investigator)。非営利医学研究機構であるハワード・ヒューズ・メディカル・インスティテュート(1953年設立)が、“プロジェクトではなく人をサポートする”という哲学に基づき、広範な生物医学分野から、厳しい審査により優れた研究者を選定し、研究資金、人件費等を与える制度、およびその身分。60以上の機関からおよそ300人のHHMI Investigatorが選定されている。この8年間で6度、HHMI Investigatorがノーベル賞を受賞し、総勢11人のノーベル賞受賞者を抱える。
※2 4名のノーベル賞受賞者
Tsung-Dao Lee(李政道), USA 1957年ノーベル物理学賞受賞
Heinrich Rohrer, Switzerland 1986年ノーベル物理学賞受賞
Jean-Marie Lehn, France 1987年ノーベル化学賞受賞
Ben R. Mottelson, Denmark 1975年ノーベル物理学賞受賞
※3 野依イニシアチブ
見える理研
科学技術史に輝き続ける理研
研究者のやる気を出せる理研
世の中の役に立つ理研
文化に貢献する理研
※4 RIKEN Honorary Fellow制度
「野依イニシアチブ」の「文化に貢献する理研」を具体化するものとして2005年に創設した制度。称号授与対象者を自然科学分野の科学者に限定せず、むしろ他分野から、国内外より広く求め、理科系文化と人文系文化の交流を目指している。授与対象者の講演会や意見交換会を通じて所員との積極的な交流を図り、所員の他分野への視野の拡大や新しいインスピレーションの啓発に貢献し、科学と社会の関わりや国際性の意識を高めることを推進している。これまでに、1973年ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈博士に、RIKEN Honorary Fellowの称号を授与した。
※5 RIKEN Advisory Council (RAC)
理研全体の経営方針や研究について、総合的な評価・助言を行う諮問委員会。
※6 研究プライオリティー会議
理化学研究所の研究者だけでなく、外部の研究者や産業界からの有識者で構成された審議組織。理研が科学技術の総合研究機関として策定する研究戦略の審議や中長期的研究施策への提言等を行う。さらに、研究ポテンシャルの更なる向上や研究総合力の強化、新たな研究領域・研究課題を創出するための研究政策全般の審議と、この結果を踏まえた提言や報告を理事長に対して行う。


<別添>
記者会見と第1回RIKEN Fellow 授与式などのスケジュール


7月6日(金)
10:00-10:45 文部科学省表敬訪問
11:00-12:00 理研東京連絡事務所にて記者会見
出席者野依良治理事長大熊健司理事大河内眞理事利根川進教授
司 会富田悟広報室長
  • RIKEN Fellow授与について 野依理事長(5分)
  • RIKEN Fellowを受けて 利根川教授(5分)
  • 質疑応答

15:30-17:00 大河内記念ホール(埼玉県和光市)にてRIKEN Fellow授与式
及び記念講演会※1
  • 理事長挨拶
  • RIKEN Fellow証書授与
  • 記念講演
    演題:「Yesterday, Today and Tomorrow」
18:00-20:00 理研第一食堂にて理研サマーパーティー※2

※1
RIKEN Fellow授与式及び記念講演会は全て英語で行います。
取材は、事前申し込み制です。

※2
サマーパーティーは理事長の開会挨拶部分のみ取材が可能です。


授与式及び記念講演会の様子


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